磐舟の光芒(上)
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磐舟の光芒

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武勇の大連(おおむらじ)(神祗派)物部守屋VS.智謀の大臣(崇仏派)蘇我馬子 益々熾烈化する2人の対立。黒岩古代史小説の新境地! 大王が、仏教といえば大臣、と結びつけているなら、大王をたきつけ、大臣の権力を圧(お)さえるべきだ、と矢鳴姫は、いい始めた。守屋は唖然としたように矢鳴姫を見た。気の強い女人だ、と今更のように感心した。だが不愉快にならないのは、守屋が姫を愛しているからだった。それに守屋は矢鳴姫の忠告に同感するものがあったからである。口にはしていないが、それは馬子を圧さえるための守屋の武器だ。守屋はそのことを充分承知していた。――(本文より)

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磐舟の光芒(下)
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磐舟の光芒(下)

発売日:1996年05月14日

馬子との緊迫したやりとりに疲れた守屋はやむにやまれぬ慕情を胸に矢鳴姫のもとを訪れる。守屋を愛してやまない矢鳴姫は、馬子と敏達大王の皇后である豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)に追い詰められた守屋に最後までついていくことを誓う。風雲急を告げる大和の地に瘡(かさ)の病が蔓延(まんえん)し、大王まで床に伏した。古代史小説の白眉。

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