文林通言

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新人古井、金井登場。大江、大岡、吉行が書き、三島が突然去った――。夷斎文芸論の粋! 1970年を挟む2年間、騒然とした世情を映す新聞紙上で、「事の雅俗を問わず……勝手気ままに」連載された文芸時評集。文学、哲学、史学と境界なき“文林”を逍遥し、読む者を精神の躍動に誘うアミュージングを求めて、時には峻烈に、時にはユーモアを交えた絶妙な文体で批評を展開した。三島事件の前にその予兆を、事件後に追懐を述べた珠玉の2篇始め、時評でありつつ時代を超える夷斎文芸論の白眉。 池内紀 あらためて石川淳の炯眼をいうべきだろうか? 触れれば血のほとばしるような抜き身の刃をかかげての時評なのだ。捨てるべきものはさっさと捨てられ、ひたすら語るに足るだけのものが語られた。ふつう時評家は他人の布を借りて即席の服をつくるが、石川淳はカイコが腹中から糸を出すようにして月々の服をつくった。――<「解説」より>

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文林通言
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文林通言

発売日:2010年08月11日

新人古井、金井登場。大江、大岡、吉行が書き、三島が突然去った――。夷斎文芸論の粋! 1970年を挟む2年間、騒然とした世情を映す新聞紙上で、「事の雅俗を問わず……勝手気ままに」連載された文芸時評集。文学、哲学、史学と境界なき“文林”を逍遥し、読む者を精神の躍動に誘うアミュージングを求めて、時には峻烈に、時にはユーモアを交えた絶妙な文体で批評を展開した。三島事件の前にその予兆を、事件後に追懐を述べた珠玉の2篇始め、時評でありつつ時代を超える夷斎文芸論の白眉。 池内紀 あらためて石川淳の炯眼をいうべきだろうか? 触れれば血のほとばしるような抜き身の刃をかかげての時評なのだ。捨てるべきものはさっさと捨てられ、ひたすら語るに足るだけのものが語られた。ふつう時評家は他人の布を借りて即席の服をつくるが、石川淳はカイコが腹中から糸を出すようにして月々の服をつくった。――<「解説」より>

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