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遍路みち
ヘンロミチ
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楽しいことも嬉しいこともあったはずなのに……悔いのみを抱いて生きてゆく遍路みち 夫・吉村昭氏の死から3年あまり、生き残ったものの悲しみを描く小説集 洗面所のコップの中の2本の歯ブラシを見ると、1本も虫歯のないことを自慢していたことを思い出した。夫の母親が、おまえは口もとがいいね、と言っていたという話をからかいながら口にすると、かれはふざけて口角を少し上げて笑ってみせた。育子はその笑顔を思い出して嗚咽した。――<「遍路みち」より>
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遍路みち
発売日:2013年01月16日
夫・吉村昭氏の死後、氏に関連する来客や電話の応対に明け暮れた日々。三年が過ぎ、再び筆を執った著者が身辺のことを綴った小説集。長年過ごした自宅を建て替え、独り誰も知る人のいない温泉地に滞在する。けれど何をしても感じているのは、夫の気配と思い出だった。(講談社文庫) 何をしても感じているのは、夫の気配と思い出。 吉村昭氏の死後初めて綴られた小説集。 川端康成文学賞受賞作「異郷」を収録 夫・吉村昭氏の死後、氏に関連する来客や電話の応対に明け暮れた日々。三年が過ぎ、再び筆を執った著者が身辺のことを綴った小説集。長年過ごした自宅を建て替え、独り誰も知る人のいない温泉地に滞在する。けれど何をしても感じているのは、夫の気配と思い出だった。 ●消えた時計 ●木の下闇 ●遍路みち ●声 ●異郷