地上生活者 第1部 北方からきた愚者
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地上生活者

チジョウセイカツシャ

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日本の植民地時代、樺太・真岡町まで流転していった一朝鮮人家族。愚哲は国民学校5年生のときに皇国少年として日本の敗戦を迎えるが、ソ連の侵攻後、一家はユダヤ人の協力を得て辛くもサハリンを脱出する。一族離散のこの体験と歴史の非情は、愚哲少年にはかり知れぬ罪意識を植えつける。在日朝鮮人としての自己形成がうまくいかぬこの未成年者と朝鮮戦争の勃発。戦後日本の、欺瞞と忘却の中で生きる愚哲の希望とは何か。 歴史の表面から消された樺太と、サハリンにおけるスターリン時代の朝鮮人の実存を、嘘泣き少年・愚哲の目をとおして奔出させた面白くて滑稽な、心を洗われる現代小説。 この現代小説こそ、大いなる人間の物語の復活である。 日本の植民地時代、樺太・真岡町まで流転していった一朝鮮人家族。愚哲は国民学校5年生のときに皇国少年として日本の敗戦を迎えるが、ソ連の侵攻後、一家はユダヤ人の協力を得て辛くもサハリンを脱出する。一族離散のこの体験と歴史の非情は、愚哲少年にはかり知れぬ罪意識を植えつける。在日朝鮮人としての自己形成がうまくいかぬこの未成年者と朝鮮戦争の勃発。戦後日本の、欺瞞と忘却の中で生きる愚哲の希望とは何か。

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地上生活者 第6部 最後の試み
最新刊情報

地上生活者 第6部 最後の試み

発売日:2020年02月26日

執筆二〇年。 連綿たる生のつらなり。 「民族」「在日」から、 人間の根生いをもとめる、 巨いなる日本語文学。 サハリンから始まった趙愚哲の人生の旅は 作家としての行き詰まりから、やがて超克へ―― 近代朝鮮に資本主義の萌芽はあったのか。 朝鮮のブルジョア革命をめざそうとした金玉均とは何者だったのか。 若い時代から漠然と思考し続けてきた考えが、作家自身のなかで少しずつ増殖していた――。 一九八〇年代、小説を書かなくなった趙愚哲は、物理学者・安淑伊との関係を妻・洪玉姫に打ち明け、別れを告げられている。 家を出たものの離婚に踏み出せずにいるぼく愚哲は、三人の息子を気にかけながらも、民族文化運動「統一クッ」の公演、新しい雑誌「民涛」の創刊のために奔走する。

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