
孟嘗君
モウショウクン
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1本の槐(えんじゅ)の樹からすべては始まり、函谷関(かんこくかん)に至る!青年風洪の光と夢に祝された華麗なる物語世界。 青欄はこの月のはじめに男子を産んだ。そのとき田嬰は不在であり、10日ほどして帰ってくると、わが子の誕生を大いに喜び、青欄をねぎらい、この男子に文という名をあたえた。ところが数日後に、荒々しい足どりで青欄の部屋をおとずれた田嬰は、恐ろしい形相で、「何日に生まれた」と、念をおすように問うた。青欄はおびえがちに、「5日でございます」と、こたえた。「5月5日の子か。やはりな」田嬰は吐きすてるようにいうと、自分の子をひとにらみして、青欄のほうへ目をもどし、「殺せ」と、低い声でいった。──本文から
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孟嘗君(5)
発売日:1998年10月07日
嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相にして中庸の思想を体現した大器を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。(講談社文庫) 嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。