卵洗い
タマゴアライ
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幼い子供の心象風景を描く八つの好短篇集。終戦後、三つの男の子が父とともに、農家から卵を買ってきて家で売る――戦後の風俗、風景、父の背中。のびのびと爽やかな郷愁に彩られた心優しき作品集。
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卵洗い
発売日:2000年01月07日
小さな店で卵を売る「私」の父は、1個1個の白い宝物を籾殻を敷いたりんご箱の底に、丁寧に丁寧にと置いてゆく。まだ人々がつましい暮らしをしていた昭和20年代の町で、食料品屋をし会社にも勤めていた父、店を切り盛りする母、平和な生活の中にも近所の娘さんが自殺し、元特攻隊員は失踪し、「私」にも弟が生まれ、父の飼う鳩は逃亡する。澄んだ幼い眼が大人達の世界を描く。坪田譲治文学賞。