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立身いたしたく候
リツシンイタシタクソウロウ
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「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる! 「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」 幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった! 戦国の世も今は昔、太平楽の時代における武士たちは、上役への朝駆け、水泳訓練、出張土産を考えて、試験勉強に明け暮れる……役目を得ても、上様のペットの餌を探したり、上司のパワハラ、部下の気鬱に悩まされ、はたまた何もできない老人が地位にしがみついて引退しない。「武士とは、仕事とはなにか」。新米武士の駿平が、「お家」を守るため、武家の世界をかけずり回って「立身出世」を試みる、シューカツ時代小説。