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流域へ
リュウイキヘ
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異郷で生きる民族を世界視野で描く渾身力作極東から中央アジアへ、強制移動の悲惨。故郷喪失者の選択を許されぬ人生。“在日”の困難と闘う作家の眼が民族問題を超え、人間存在の真実を見据える渾身の力作
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流域へ 下
発売日:2010年03月12日
ソ連崩壊前夜、故郷を追われた「同胞」の壮絶な体験を聞くために中央アジアを訪れた在日朝鮮人小説家・林春洙は西ドイツでの恋を思い出す。それは背徳の恋であり、祖国の分裂という問題が暗い影を落とす恋でもあった。政治の力に蹂躙された人々との出会いを経て、林春洙は民族、そして人間そのものに思いを馳せる。東西冷戦終結後の世界を見すえ、いち早くなされた文学的達成。 ひとりの在日朝鮮人作家がめぐる人間性回復をめざす旅。 解説、姜尚中 ソ連崩壊前夜、故郷を追われた「同胞」の壮絶な体験を聞くために中央アジアを訪れた在日朝鮮人小説家・林春洙は西ドイツでの恋を思い出す。それは背徳の恋であり、祖国の分裂という問題が暗い影を落とす恋でもあった。政治の力に蹂躙された人々との出会いを経て、林春洙は民族、そして人間そのものに思いを馳せる。東西冷戦終結後の世界を見すえ、いち早くなされた文学的達成。 李恢成 この小説は、中央アジアの高麗人(コリョイン)の問題を基軸にしながら朝鮮半島の南北問題、サハリン、さらには体制下の個人の恋愛問題なども含まれている。人間の心の中の「流域」はそれほど広漠としているということであろうか。――<「著者から読者へ」より>