花と黒鋼(1)
電子あり 完結

花と黒鋼

ハナトクロガネ

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レーダーには映らない、小さく、深き、絶海の森。 そこには、退屈で無慈悲な仕事を一時(いっとき)忘れ、大切だった「何か」を思い出させてくれる温かい有機物が存在した。 座標もわからないそこにたどり着くためには、久しく硝煙と海風しか感じてこなかった我が嗅覚の奥にある懐かしい感覚を呼び戻し、自分に正直になることが、なぜか一番の道標(みちしるべ)だった。 しかし、そのどこかに置いていったはずの生身の記憶の断片が、この世界の、この國のゆく先に大きな揺らぎをもたらすとは知らずに‥‥。 いまより少し先の未来。深刻な食糧難によって、泥沼の戦争状態に陥った世界。地図に存在せず、レーダーにも映らない、小さく、深き、絶海の孤島に、おじじと共に静かに暮らす金髪の少女・ルルのもとには、ある“訪問者”が定期的にやって来る。“訪問者”の名は斉藤。この世界 唯一にして最強の兵器である―――。

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花と黒鋼(4)
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花と黒鋼(4)

発売日:2018年10月19日

生まれ育った孤島をはじめて飛び出し、日本本土に降り立ったルル。そこに帯同する斉藤。軍政府の圧政による厳しい現実を目の当たりにしながらも、はじめて見る農作物や、はじめてできた同年代の友達に刺激を受けたルルは少しずつ成長を早めていく。そんな折、島が日本軍の侵攻を受け、帰れなくなったルル。本土で生き抜けるのか!? 失われた食物をめぐる少女と兵器の近未来冒険譚、ついに完結!

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