
犬と鬼 知られざる日本の肖像
イヌトオニシラレザルニホンノショウゾウニッポン
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数々の文化遺産、美しい国土、すぐれた教育制度、世界一の個人貯蓄。 それがありながら、なぜ日本は道を踏み外すのか? 『美しき日本の残像』(新潮学芸賞)の著者による衝撃的日本論! 肌で感じる痛切さがあり、率直で熱烈、有益で強烈だ。 ――(ファイナンシャル・タイムズ) 『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979年、エズラ・ヴォーゲル)、 『日本/権力構造の謎』(1989年、カレル・ヴァン・ウォルフレン)、 そして本書。 過去10年で最も重要な日本論。 ――(バロンズ) 『犬と鬼』は、日本に対する愛のムチとでもいうべき本だ。日本人はこの本を不愉快な批判として片づけるのではなく、耳を傾け新しい道を切り開く指針とすべきだろう。 ――(ニューズウィーク) この重要で意外とロマンチックな本には、明快で鋭い観察があふれている。 ――(ニューヨーク・タイムズ) 『犬と鬼』は戦後日本の成長と失墜に少しでも興味がある人にとって必要不可欠だ。 ――(ウォールストリート・ジャーナル) 日本の政治指導者は国家と国民に恐ろしい犠牲を払わせた。その大きな代償をきちんとした筆致で率直に明らかにしている。 ――(ドナルド・リッチー) 日本人、そして我々のためにも、この本が「常識に還る」動きに貢献することを望んでいる。 ――(カレル・ヴァン・ウォルフレン)
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犬と鬼 知られざる日本の肖像
発売日:2017年01月12日
美しい自然、練磨された文化遺産、高度な技術、優秀な教育制度……。世界をリードするような新文明を築こうとした日本は、1990年代に失速した。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗した。「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊してしまった。この国の問題は、慢性的・長期的なもので、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告する。 美しい自然、練磨された芸術と文化遺産、高度な技術国、優秀な教育制度……。世界をリードするような新しい文明を築こうとした日本は、なぜか1990年代に失速しました。 バブル崩壊はその引き金でしかありませんでした。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗したのです。 「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊し、ついには金融界までも崩してしまいました。日本の魂が傷つけられたのです。この国が抱える問題は、慢性的・長期的なもので、まさに日本人は「ゆでガエル」状態になっていることを、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告します。 日本の景観破壊をいち早く告発し、現在のインバウンド旅行者についても発言を続ける著者の渾身の書です。 タイトルの「犬と鬼」は、『韓非子』のエピソードに拠っています。皇帝が宮廷画家に「描きやすいもの、描きにくいものは何か」と問うと、画家は「犬は描きにくく、鬼は描きやすい」と答えます。身近で控えめな犬のようなもの(伝統的な日本の景観)は、正確に捉えるのが難しいが、派手な想像の産物(不要で奇抜なモニュメント)にお金を出すことは易しいということを暗示しています。