花渦
電子あり

花渦

ハナウズ

マイページに作品情報をお届け!

突然消えたひとりの男をめぐって4人の女心は微妙に揺れ絡み合いやがて溶け合う 槙枝/今日子/佐保子/由里子 魚住さんはどこに行ったのか。行方を探して、今日子の指は体の奥深く沈んでいくが、彼はもう、そこにはいなかった。男は誰もいなかった。魚住夫馬という男が、かつてこの肌色の渦の真中にいたことすら、いまとなっては嘘のように思える。いたかもしれない。いなかったかもしれない。ともかく今はいない。しかし渦はこのように激しく回っている。肌色の渦の中を、銀白色のいのちがきらめいて流れていく。──本文より

TOPICS

花渦
最新刊情報

花渦

発売日:1999年12月10日

夫はなぜ消えたのか? 突然の失踪を契機に、前妻、娘、老母、再婚した妻、孤立していた4人の女の心は、微妙に波立つ。男を失うことで呼び醒まされる、女としての官能。体の内奥に潜むエロスが、しだいに女たちの心を結びつけ、不思議な絆と連帯感を生んでゆく。女の生と性、愛のかたちを精緻に描く、髙樹文学の真髄。

PUBLICATIONS

全2件