耽溺
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耽溺

タンデキ

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亡き夫が残したもの、それは破廉恥な写真の数々だった。夫の赤裸々で刻明な浮気の記録を目のあたりにしたとき、妻は体の奥底から湧き起こる、言い知れぬ女の性の疼きに翻弄される。抑えても抑えても止めどなく溢れる欲望の渦。むせかえるほど絡み合い、燃え上がる男女のエロティシズムを描き切った短編集。

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耽溺 
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耽溺 

発売日:2021年07月30日

芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、現代人の性をさまざまにとらえた力作8篇ーー私は子供のころから警官の凜々しい姿に憧れていた。あの逞ましい肉体と鬱屈した精力の匂い。そんな私も人並みに恋をした。相手は同じ大学の秀才で、尖鋭な学生活動家だった。偶然の機会から彼女の秘所をかいまみた私は、いっそう愛慕の念をつのらせていった。デモに参加したのも、ただ彼女の軽蔑を恐れたためだった。角棒と放水、罵声とシュプレヒコールの渦のなかで、警官は堂々と動き、彼女は美しかった。そのとき、脳天に鋭い衝撃を感じて私は気を失ったのだが……。という、被虐的な悦びを大胆に描く「耽溺」のなど8篇。

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