続　年月のあしおと

野間文芸賞受賞作『年月のあしおと』の続篇。父・柳浪のことから筆をおこし、五・一五事件、二・二六事件、太平洋戦争へと傾斜する、暗鬱な時代を背景に、昭和初年前後から敗戦までの苦悩を生きた作家たちとの交流やＸ子とのことなど、著者の辛い記憶を鮮やかに描く、自伝的文壇回想記。８５項上下２巻。上巻には「菊池寛の率直さ」「愛国心とニヒリズム」ほか、４７項までを収録。

最新刊情報

続　年月のあしおと（下）

発売日：1999年03月10日

本郷菊富士ホテルの出逢いで始まったＸ子との関係は、泥沼のような生活を強いた。真杉静枝の誘いで出かけた、脱出にも似た台湾旅行から起こす下巻は、敗戦の日、８月１５日の感情で終る。戦時下の暗鬱と苦悩のなか、志賀直哉、青野季吉、中野重治らとの交流を通じ、みずからの辛い日常、作家たちの風貌を鮮明に描く、自伝的文壇回想記。野間文芸賞受賞『年月のあしおと』の続篇。上下２巻完結。