その日まで
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その日まで

ソノヒマデ

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99歳、最期の長篇エッセイ。 切に愛し、いのちを燃やし、ペン一筋に生き抜いた。70余年にわたる作家人生の終着点。 「結局、人は、人を愛するために、愛されるために、この世に送りだされたのだ。 充分、いや、十二分に私はこの世を生き通してきた。」 三島由紀夫、萩原健一、石牟礼道子ほか、人生でめぐり逢った忘れえぬ人々、愛した男たち、そして家族の記憶。99歳まで現役作家としてペンをふるった著者が、自らの老いに向きあい、「その日」をみつめて綴りつづけた、最後の自伝的長篇エッセイ。 ・本書よりーー 私は自分の「その日」を、どのような形で迎えるのであろうか。 九十九歳とは何と長い、そして何と短い時間であっただろう。 百歳近く生きつづけて、最も大切なことは、自分の生きざまの終りを見とどけることだけであった。 戦争も、引揚げも、おおよその昔、一通りの苦労は人並にしてきたが、そんな苦労は、九十九年生きた果には、たいしたこととも思えない。 生きた喜びというものもまた、身に残された資産や、受けた栄誉ではなく、心の奥深くにひとりで感得してきた、ほのかな愛の記憶だけかもしれない。 結局、人は、人を愛するために、愛されるために、この世に送り出されたのだと最期に信じる。 充分、いや、十二分に私はこの世を生き通してきた。

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その日まで

発売日:2024年01月16日

私は「その日」をどのように迎えるのだろう。萩原健一らめぐり逢った人々への思いを通して綴る、99歳・最後の自伝的長編エッセイ! ファンレターをきっかけに会うことができた三島由紀夫。電話で話すことがあった萩原健一氏、その身の上に共感を覚えた石牟礼道子氏。ほかにATSUSHI氏や田辺聖子氏など。──人生でめぐり逢った忘れえぬ人々、愛した男たち、そして家族の記憶。99歳まで雑誌連載を持つ現役作家として活躍した著者が自らの老いに向き合い、「その日」を見つめて最晩年を綴った……。

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