
日本海海戦とメディア
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極秘海戦史でわかった語られざる真実 連合艦隊司令長官・東郷平八郎とその参謀・秋山真之。この軍神と天才によって敢行された丁字戦法によって、連合艦隊はロシアのバルチック艦隊を撃破――。日本海海戦の勝利は胸のすく快挙として昭和の軍国主義イデオロギーの核心を形成していく。その伝説の影響は今日にも及ぶといって過言ではない。これまで明らかにされることのなかった史実を、第一級史料『極秘明治三十七八年海戦史』を丹念に読み解き、浮き彫りにするとともに、神話を作りあげていったメディアの側をも批判的に検証する。 【目次】 はじめに 序章 日本海海戦イメージの変遷 「天気晴朗なれども波高し」は暗号か/日露戦争への道/史料について 第1章 「敵前大回頭」とは何か 21 一八〇度ターンは当然のこと/軍関係者は「大転舵」/「大回頭」の出自/無線通信のトラブル/円運動は遭遇予定地点のズレから始まった/艦隊編成について 第2章 軍神の誕生 緒戦の旅順口攻め/夜襲作戦の実際/山本五十六の批判/三度の閉塞作戦/秋山の「高ぶり」/副官電に登場した「軍神」/「成功」と報じたのは新聞/マカロフ提督戦死 第3章 ウラジオ艦隊、潰滅せず 戦艦「八島」沈没の隠蔽/輸送船被害キャンペーン/上村艦隊の苦渋/「報道の自由」時代か/体面をとりつくろう体質/八月十日、決まらなかった丁字戦法/八月十四日、ウルサン沖海戦 第4章 秋山作戦の迷走 109 「四月十二日」戦策/「四月二十一日」改訂追加戦策/「五月十七日」追加戦策/「五月二十一日」改訂戦策/藤井証言「艦隊戦策変更の真相」/藤井証言「奇 襲隊取止めの真相」/藤井証言「津軽海峡転位についての会議の真相」/島村速雄の遅参/東郷は気配り調整型 第5章 「開戦後三十分で勝利」したか 二時四十五分決着とした「戦闘詳報」/秋山が強調した「三十分」/第二戦隊「独断専行」のはじまり/第一戦隊と別れた第二戦隊/公刊戦史の奇妙な記述/検証されなかった「独断専行」/ロシア側が評価する上村の行動/「主将は口喧しき号令者にあらず」/ロシア戦史のロジェストウェンスキー評価 第6章 メデイアはどう報じたか 185 丁字戦法と明治三十七年「一月九日戦策」/海軍PR文と七段構え/事実を秋山の「論」に押し込む作為/PR文は特ダネか/丁字戦法成立の経緯/抜擢された 秋山の才/丁字戦法の明治三十七年、同航戦の三十八年/島村速雄の気質と秋山真之の傷 終章 その日とそれ以後 あとがき 資料 1 戦闘詳報 2 海軍PR文 3 連合艦隊解散之辞 索引
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日本海海戦とメディア 秋山真之神話批判
発売日:2006年05月12日
極秘海戦史でわかった語られざる真実 連合艦隊司令長官・東郷平八郎とその参謀・秋山真之。この軍神と天才によって敢行された丁字戦法によって、連合艦隊はロシアのバルチック艦隊を撃破――。日本海海戦の勝利は胸のすく快挙として昭和の軍国主義イデオロギーの核心を形成していく。その伝説の影響は今日にも及ぶといって過言ではない。これまで明らかにされることのなかった史実を、第一級史料『極秘明治三十七八年海戦史』を丹念に読み解き、浮き彫りにするとともに、神話を作りあげていったメディアの側をも批判的に検証する。 【目次】 はじめに 序章 日本海海戦イメージの変遷 「天気晴朗なれども波高し」は暗号か/日露戦争への道/史料について 第1章 「敵前大回頭」とは何か 21 一八〇度ターンは当然のこと/軍関係者は「大転舵」/「大回頭」の出自/無線通信のトラブル/円運動は遭遇予定地点のズレから始まった/艦隊編成について 第2章 軍神の誕生 緒戦の旅順口攻め/夜襲作戦の実際/山本五十六の批判/三度の閉塞作戦/秋山の「高ぶり」/副官電に登場した「軍神」/「成功」と報じたのは新聞/マカロフ提督戦死 第3章 ウラジオ艦隊、潰滅せず 戦艦「八島」沈没の隠蔽/輸送船被害キャンペーン/上村艦隊の苦渋/「報道の自由」時代か/体面をとりつくろう体質/八月十日、決まらなかった丁字戦法/八月十四日、ウルサン沖海戦 第4章 秋山作戦の迷走 109 「四月十二日」戦策/「四月二十一日」改訂追加戦策/「五月十七日」追加戦策/「五月二十一日」改訂戦策/藤井証言「艦隊戦策変更の真相」/藤井証言「奇 襲隊取止めの真相」/藤井証言「津軽海峡転位についての会議の真相」/島村速雄の遅参/東郷は気配り調整型 第5章 「開戦後三十分で勝利」したか 二時四十五分決着とした「戦闘詳報」/秋山が強調した「三十分」/第二戦隊「独断専行」のはじまり/第一戦隊と別れた第二戦隊/公刊戦史の奇妙な記述/検証されなかった「独断専行」/ロシア側が評価する上村の行動/「主将は口喧しき号令者にあらず」/ロシア戦史のロジェストウェンスキー評価 第6章 メデイアはどう報じたか 185 丁字戦法と明治三十七年「一月九日戦策」/海軍PR文と七段構え/事実を秋山の「論」に押し込む作為/PR文は特ダネか/丁字戦法成立の経緯/抜擢された 秋山の才/丁字戦法の明治三十七年、同航戦の三十八年/島村速雄の気質と秋山真之の傷 終章 その日とそれ以後 あとがき 資料 1 戦闘詳報 2 海軍PR文 3 連合艦隊解散之辞 索引