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きみを守るためにぼくは夢をみる(4)
キミヲマモルタメニボクハユメヲミル
- 著: 白倉 由美 ,
- 絵: マテウシュ・ウルバノヴィチ

悲しさを泉から掬うように、ぼくはあるとき、七年間を失った。
奇妙にからみあう運命のなかで、ぼくにもたらされた約束はただひとつ、初恋の「きみを守ること」。でも大人になるその途中で、ぼくは神話のように「妹」を手にとった。摘みとってしまった花はその香りでぼくを離さない。その花はポーフィロジーン。両手をひろげてぼくを求めている。「妹」を裏切るかのようにぼくは初恋のきみと、陶酔のオートエロティックに溺れる……。静かに雪の降るなかでぼくを待っていた「妹」は、汚されていた。天使達は天国にいてもぼくたちほど幸福でなかったから、ぼくたちをうらやんだのかもしれない。運命は壊れやすく、脆く、切ない。ぼくが目指すべき未来はどこにあるのだろう? ぼくが救うべきひとは誰なんだろう? ぼくの道は続いていく。
書誌情報
紙版
発売日
2013年06月11日
ISBN
9784061389489
判型
A6
価格
定価:755円(本体686円)
ページ数
288ページ
シリーズ
星海社文庫