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ロ-マ五賢帝
ローマゴケンテイカガヤケルセイキノキョゾウトジツゾウ
- 著: 南川 高志

ローマはなぜ栄えたか。「人類が最も幸福であった時代」とされた最盛期の帝国の闇に隠された権力闘争の真相とは。新たな視点から皇帝群像を描き、ローマ史を書きかえる。
最盛期のローマの光と陰――ここで読者に気づいていただきたいのは、次のことである。すなわち、英明で君徳ある皇帝たちが続けて現れ、ローマが平和と安定の中で繁栄を亨受した紀元2世紀、こうした輝きに満ちた時代という歴史像にはそぐわない、賢帝が実は憎悪されていたというようなこの時代の陰の部分の存在である。そして、この時代の輝く部分ではなく、むしろこの陰の部分にこそ、この時代がローマ帝国の最盛期であった理由を解き明かしてくれる秘密が隠されているのではないか、と私は考えている。これから私は、紀元96年の五賢帝時代の開幕から、180年に五賢帝最後のマルクス帝が世を去るまでの歴史を語ることになる。私が述べる紀元2世紀の様相、それは世界史の教科書で記された平和と安定の五賢帝時代像とは少々異なるものになるであろう。そして、平和な時代というイメージとは相容れない、皇帝をはじめとした帝国の政治エリートたちの暗闘を、読者は理解されることになろう。――本書より
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目次
・訪れぬ光――五賢帝時代の始まり
「賢帝」ネルウァの登場
・最良の皇帝――トラヤヌスのローマ帝国
元老院議員たちの実像
・賢帝か暴君か――ハドリアヌスのローマ帝国
疑われた皇帝
・苦悩する哲学者皇帝――マルクス・アウレリウスのローマ帝国
アントニヌス・ピウス帝の美徳
戦争と新しいエリートたち
・全盛期のローマ帝国を支えたもの
書誌情報
紙版
発売日
1998年01月20日
ISBN
9784061493896
判型
新書
価格
定価:792円(本体720円)
通巻番号
1389
ページ数
244ページ
シリーズ
講談社現代新書
著者紹介
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