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「在日」としてのコリアン
ザイニチトシテノコリアン
- 著: 原尻 英樹

民族とは?国籍とは?「日本人」とは何なのか?!
民族とは?国籍とは?差別の本質とは何か。基礎知識を踏まえて「在日」の戦後を直視し、タブーを超えて日本社会を問い直す。
祖国志向と「在日」志向――総連から北朝鮮への資金援助は、以前新聞紙上をにぎわせていたが、ソウル・オリンピックの時は民団系の「在日」を中心に約53億円の援助金が送られた。これをみると「在日」とその祖国との関係は今でも密接であることを感じさせる。……アメリカとの対比で考えればわかりやすいが、日本では帰化手続きをしない限り、あるいは日本国籍者と結婚して子どもが日本国籍にならない限り、何世代経とうとも「在日」はあくまで外国人であり、日本社会の成員とみなされてこなかった。日本社会の成員とは、「血統上」日本人であるのと同時に、日本国民でなければならないのである。「在日」のニュアンスには一時滞在の意味もあるように、ソトの人間としての外国人はほぼ一時滞在者に近い存在だと一般的にはうけとられている。このような排除の論理は、国家レヴェルから地域社会、近隣、学校など隅々まで行き渡っており、「在日」は日本国中ほとんどどこに行っても外国人、ソトの人として扱われる。――本書より
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目次
●植民地政策と「日本人」
●敗戦後の「在日」
「在日」の職業
●「朝鮮人」という言説
総連と民団
●「在日朝鮮人」と「在日韓国人」
●祖国と「在日」
増える「混血」
●在日韓国・朝鮮人という呼び名
●消されている人々
書誌情報
紙版
発売日
1998年07月17日
ISBN
9784061494107
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
1410
ページ数
206ページ
シリーズ
講談社現代新書