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今度こそわかるガロア理論
コンドコソワカルガロアリロン
- 著: 芳沢 光雄
ガロアは何を考え、何を切り拓いたのか? 詳しく論理的な説明で、数学の関門といわれるガロア理論が根本的に理解できる。群論の研究者にして数学教育の泰斗・芳沢先生が贈る、今度こそ本当にわかる入門書。
【本書「まえがき」より】
「(1) 線形代数学や微分積分学以外の予備知識は一切仮定しないで、とくに説明が丁寧な数学書として完成させること。
(2) ガロアの基本定理や方程式の可解性を述べる定理まで、論理的に一歩ずつきちんと組み立てること。
(3) 群論のシローの定理や可解群の説明はしっかり述べる一方で、ガロア理論を理解する上で直接には関係しない周辺の代数学の内容までは、あまり深入りしないこと。
(4) 多くの数学的読み物に書かれている3次方程式のカルダノの方法や4次方程式のフェラリの方法は取り上げないが、その一方で代数的に解けない方程式の例は、証明を付けて積極的に紹介すること。
本書は、以上の4つのコンセプトをもって執筆し、完成したものである。」
Ⓒ芳沢光雄
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目次
第1章 基礎的準備
1.1 記法
1.2 集合と写像
1.3 線形代数学の基礎的性質と代数学の基本定理
1.4 群・環・体の定義
第2章 群
2.1 部分群と巡回群
2.2 剰余類
2.3 正規部分群と剰余群
2.4 交代群Anの単純性
2.5 準同型写像と同型写像
2.6 直積
2.7 p-群とシローの定理
2.8 交換子群と可解群
第3章 環
3.1 イデアル
3.2 剰余環と準同型定理
3.3 素イデアルと極大イデアル
3.4 一意分解整域
第4章 体の拡大
4.1 標数
4.2 代数拡大
4.3 分解体
4.4 分離的拡大
4.5 有限体
4.6 単純拡大と正規拡大
第5章 ガロア群と方程式
5.1 ガロアの基本定理
5.2 方程式の可解性と素数次方程式の例
5.3 ガロア群がGL(3,2)となる多項式の決定方法
書誌情報
紙版
発売日
2018年04月26日
ISBN
9784061566026
判型
A5
価格
定価:3,190円(本体2,900円)
ページ数
192ページ
シリーズ
今度こそわかるシリーズ
電子版
発売日
2018年05月18日
JDCN
06A0000000000032780A
著者紹介
1953年東京生まれ。東京理科大学理学部教授(理学研究科教授)を経て、現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授(同志社大学理工学部講師を兼務)。理学博士。専門は数学・数学教育。『新体系・高校数学の教科書(上・下)』、『新体系・中学数学の教科書(上・下)』、『群論入門』、『出題者心理から見た入試数学』(ともに講談社ブルーバックス)、『数学的思考法』、『算数・数学が得意になる本』(ともに講談社現代新書)、『算数が好きになる本』(児童書 講談社)、『置換群から学ぶ組合せ構造』(日本評論社)など著書多数。