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新編 疾走するモーツァルト
シンペンシッソウスルモーツァルト

モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
天才の「深淵」と「謎」に迫る白熱の論考。
モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
清水徹
小林秀雄の世代におけるモーツァルト受容をつらぬく、「≪ファゴット・コンチェルト≫から≪ハ長調ミサ≫をへて≪フィガロ≫の<愛の神様>にいたる線もまた、モーツァルトそのものの形をしており、彼の≪やさしさ≫の位相を純粋に辿りうる秘められた小径になっているのではないか」――こんなふうに音型相似性(アンテルテクスチュアリテ)を聴きわけることができるのは、小林秀雄の世代の作品に親しみ、そしてモーツァルトを詳しく聴きこんでいる高橋英夫を擱いて他にないだろう。――<「解説」より>
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目次
疾走するモーツァルト
序章
I 唯一者
II 逃走
第一のインテルメッツオ
III 深淵
IV 記憶
第二のインテルメッツオ
V 調和
VI 謎
終章
アンダンテのモーツァルト
音楽的貴種流離譚
アンダンテのモーツァルト
モーツァルト熱
日本人のモーツァルト好み
ピアノ連弾曲集
フルート四重奏曲
四十番シンフォニー
クラリネット協奏曲
さまざまなモーツァルト
私のモーツァルト・ベスト5
カール・バルトの「モーツァルト」
酔生夢死
「新しい音」の発見
最初のモーツァルト
『疾走するモーツァルト』単行本あとがき
著者から読者へ
書誌情報
紙版
発売日
2006年08月12日
ISBN
9784061984509
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
336ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2014年03月28日
JDCN
0619845000100011000B
初出
底本:「疾走するモーツァアルト」//『疾走するモーツァルト』’99年3月 講談社学術文庫刊「音楽的貴種流離譚」~「私のモーツァルト」まで10篇//『濃密な夜 私の音楽生活1970~1991』’91年4月 小沢書店刊。上記のものを底本として使用し、一部に著者による補筆訂正を加えた。
収録作品
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作品名初出
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作品名
疾走するモーツァルト
初出
初出:『新潮』’86年6月号(単行本新潮社’87年5月)
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作品名
音楽的貴種流離譚
初出
初出:『ユリイカ』’78年12月臨時増刊号
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作品名
アンダンテのモーツァルト
初出
初出:帰徳書房「私のモーツァルト」’76年4月
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作品名
モーツァルト熱
初出
初出:『知識』’85年10月号
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作品名
日本人のモーツァルト好み
初出
初出:『中国新聞』’86年3月19日
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作品名
ピアノ連弾曲集
初出
初出:『海』’74年4月号
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作品名
フルート四重奏曲
初出
初出:『音楽現代』’90年11月号
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作品名
四十番シンフォニー
初出
初出:『音楽の友』’72年1月号
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作品名
クラリネット協奏曲
初出
初出:『音楽現代』’87年12月号
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作品名
さまざまなモーツァルト
初出
「モーツァルト・シリーズ」公演プログラム’91年1月
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作品名
私のモーツァルト・ベスト5
初出
初出:冬樹社「モーツァルト事典」’82年12月
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作品名
カール・バルトの「モーツァルト」
初出
初出:『東京新聞』’90年10月28日
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作品名
酔生夢死
初出
初出:『文学』’91年秋号
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作品名
「新しい音」の発見
初出
初出:『朝日新聞』’91年11月12日
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作品名
最初のモーツァルト
初出
初出:『音楽現代』’06年2月号
著者紹介
解説: 清水 徹(シミズ トオル)