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一所懸命
イッショケンメイ
- 著: 岩井 三四二

まずはあったかい飯をたらふく食う。守り、生き抜き、生き残る。
『難儀でござる』の著者が描く 戦国の世を静かに暮らすために戦った人々の姿。
<収録作品>
●「一所懸命」
「わしは生き残るぞ。そして、土と百姓を相手に静かに暮らしていきたい」――それだけが右京亮の望みだった。小説現代新人賞受賞作。
●「渡れない川」
葦の茂みの中で、兵は孤立していた。なんでこんなところにいるのや。七郎は、落ち込んで行く気持ちをもてあましていた。
●「魚棚小町の婿」
また合戦が始まる。荷運び人足3人をだせとの下知が届いた。役のオトナ・仁右衛門には頭が痛い毎日が続く。
●「八風越え」
田仕事がようやく終わった又二郎と五郎三郎は、一生、納屋暮らし、部屋住みの身からはい上がるため、一か八か、戦火をかいくぐっての商売を思いついた。
●「わからんやつ」
とても有徳人の住むところではない町場の、となりに越してきたのは、烏帽子をつけた中年男と、市女笠の女房らしい女。ふたりの子供も上等の小袖を着ていた。しかも、先の中納言などと言っている……。
●「一陽来復」
一族郎党を負け戦に導くわけにはいかない。だから、右京亮は斎藤義龍に味方した。それ以来、家の中の空気は、あきらかに別のものになっていた。
書誌情報
紙版
発売日
2007年01月20日
ISBN
9784062138215
判型
四六変型
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
232ページ
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
一所懸命
初出
『小説現代』1996年5月号(64回小説現代新人賞)
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作品名
渡れない川
初出
『小説現代』1997年8月号(「川の向こう側」改題)
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作品名
魚棚小町の婿
初出
書下ろし
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作品名
八風越え
初出
『小説現代』1997年12月号
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作品名
わからんやつ
初出
『小説現代』2005年8月号(「となりのお公家さん」改題)
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作品名
一陽来復
初出
書下ろし