日月めぐる

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日月めぐる

ニチゲツメグル

文芸(単行本)

美しき渦に巻き込まれた男女の行方――
「だったら、ずっとここにいたらいいのに」
江戸末期、駿河の小藩に流れゆく時、川、そして人。名手が丹念に紡いだ珠玉の7篇。

「ほんとうに、吸い込まれてしまいそうだ。両側に迫った山のせいで狭まった流れを、ごつごつした岩がなおもさえぎろうとしている。さえぎられてたまるかと、川の水は怒ったように飛沫を噴き上げ、ぬれそぼった黒い岩に挑みかかる。けれど、いがみ合っているだけではなかった。ここには調和があった。薄青と紺と藍と紫苑と群青と縹色と裏葉色と御納戸色と浅葱色と、そしてかがやく紺碧……水にかかわるありとあらゆる色の濃淡が、きらめく陽光と溶け合って、渦という摩訶不思議な世界を創り出している。」――<本文より>


書誌情報

紙版

発売日

2008年02月29日

ISBN

9784062146135

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

278ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    初出

    『小説現代』2005年11月号

  • 作品名

    川底の石

    初出

    『小説現代』2006年1月号

  • 作品名

    女たらし

    初出

    『小説現代』2007年1月号

  • 作品名

    川沿いの道

    初出

    『小説現代』2006年11月号

  • 作品名

    紙漉

    初出

    『小説現代』2007年7月号

  • 作品名

    男惚れ

    初出

    『小説現代』2006年4月号

  • 作品名

    渦中の恋

    初出

    『小説現代』2007年11月号

著者紹介

既刊・関連作品一覧