女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ

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女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ

ジョセイノイナイセカイセイヒフキンコウガモタラスキョウフノシナリオ

米国人である著者が、北京の幼稚園で男女児の人数が圧倒的に違うのを目の当たりにし、妊婦がお腹の子が女の子だと知ると中絶するという話を耳にして衝撃を受け、綿密な調査を重ねてその真相を明らかにしたのが本書である。人口統計上、中国の子どもの男女比が不均衡であるのは確かであり、その傾向はインドやベトナムなどアジア全域、さらには東欧にも広がっている。その直接の原因は男子が跡を継ぐ家父長制や男性優位の社会背景であるが、安易に胎児の性別を判断できる技術が発達したこと、そして人口爆発による危機を回避するための人口抑制策が推進されたことなど、欧米諸国が深く関与していることを著者は洞察している。そして男女比不均衡が引き起こす社会問題について、外国人花嫁、売春婦の人身売買、暴力犯罪の増加など、赤裸々な実話を交えてその深刻さを訴える。


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目次

序章
第1部 「どこのうちも男の子ばかり」
 第1章 人口統計学者
 第2章 親
 第3章 経済学者
 第4章 医師
 第5章 帝国主義者
第2部 素晴らしい構想
 第6章 学生
 第7章 惨事の予言者
 第8章 遺伝学者
 第9章 将軍
 第10章 フェミニスト
第3部 女性のいない世界
 第11章 花嫁
 第12章 売春婦
 第13章 独身男
 第14章 世界
 第15章 赤ん坊
 終章

書誌情報

紙版

発売日

2012年06月22日

ISBN

9784062160186

判型

四六

価格

定価:2,420円(本体2,200円)

ページ数

344ページ

著者紹介

著: マーラ・ヴィステンドール(マーラ・ヴィステンドール)

北京駐在の『サイエンス』誌記者。『サイエンティフィック・アメリカン』『ポピュラー・サイエンス』『フィナンシャルタイムズ』などにも寄稿。この10年間は中国に滞在し、考古学から宇宙計画まであらゆることについてリポートしている。上海の復旦大学でジャーナリズムを教えた経験をもち、国際的なジャーナリズム推進の組織「ラウンド・アース・メディア」の顧問も務める。

訳: 大田 直子(オオタ ナオコ)

おおた・なおこ 翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書にブライアン・グリーン『隠れていた宇宙』、オリヴァー・サックス『心の視力』『音楽嗜好症』、マット・リドレー『繁栄』(共訳)、ダグラス・ブラウン『101回目の夜』、マイケル・J・ロオジエ『関係の法則』ほか多数。

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