黄金の夢の歌

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黄金の夢の歌

オウゴンノユメノウタ

この世界の果てには、懐かしくやさしい詩がある。
不思議な男の子の声に導かれ、中央アジアの草原をさまよう「あなた」。歴史の奥に秘められた、人間を励ます叙事詩の意味を探る長篇。
講談社創業100周年記念出版

……赤いリンゴを食べる夢を見れば女の子が生まれ、白いリンゴを食べる夢を見れば男の子が生まれる、そんな話もあった。……50歳になっても子どもに恵まれなかったチュウィルディは、ある日、白いリンゴを食べる夢を見たんだっけ。……すぐそばに坐るチャリクさんが、ふと右手を高くあげ、空の1ヵ所を指さした。白い雲がところどころに浮かぶ空。まわりは、木が1本も生えていない真夏の草原。そこはジャイロと呼ばれる高度3000メートル以上の、U字形の氷河谷にひろがる放牧地で、山の風に身を震わせる草はそれぞれの花をここぞとばかりに咲かせている。――<本文より>

第53回毎日芸術賞 文学I部門[小説・評論]受賞


書誌情報

紙版

発売日

2010年12月08日

ISBN

9784062166485

判型

四六

価格

定価:2,420円(本体2,200円)

ページ数

434ページ

著者紹介

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