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愛を知らなかった子 ネグレクトされた少女が家族を得るまで
アイヲシラナカッタコネグレクトサレタショウジョガカゾクヲエルマデ
- 著: ダイアン&バーニー・リーロウ ,
- 訳: 庭田 よう子
ピューリッツア賞受賞の実話をもとにした感動のノンフィクション。
実母による信じがたいネグレクトによって、八歳まで言葉を発したことがなかった少女ダニー。抱きしめられたことがなく、トイレに行って用を足すことも知らず、服を着ることも、食事の仕方も知らなかった。おむつ一つの姿で、ゴキブリと排泄物にまみれ、実母からはモノのように扱われ、暗闇の中で一人、生きのびていた。実母からも世間からも見放されていた彼女に保護施設で出会うなり、ひと目で惹かれたダイアンとバーニーの夫婦は、ダニーを養子に迎え入れようと決意する。「誰かがこの子に、愛されることを教えなければならない」という強い思いだった。
しかし二人の行く手には、実母の理不尽な妨害、本来子どもを守るはずの公的機関の不備、アメリカの複雑な養子縁組制度という壁が立ちはだかっていた。さらに、ネグレクトが原因で、「人とつながりをもつことが不可能」と医師に診断されたダニーだったが、夫妻とその息子ウィリーとのふれあいで、少しずつ心をひらいていく。愛を知らなかった少女が、ごくあたりまえの家族になるまでの軌跡を真摯な文体で綴った本書は、現代社会に潜むネグレクト問題に警鐘を鳴らすととともに、人と人との絆を改めて教えてくれる。
- 前巻
- 次巻
目次
はじめに
第1章 家族をもつということ
第2章 家族を必要とする子
第3章 わたしたち」を必要とする子
第4章 野生児と呼ばれた子
第5章 ダニエルと会う日
第6章 世界に見過ごされた子
第7章 どこにも居場所のない子
第8章 八歳の誕生日
第9章 愛を知らなかった子
第10章 蝶は自由に飛び回る
第11章 タイミングがすべて
第12章 たくさんの愛と辛抱
第13章 家族になる運命
第14章 ハローキティの部屋へ
第15章 位置について、用意、ドン!
第16章 「僕たちのこと、忘れちゃったの?」
第17章 ふたたびわが家へ
第18章 ゼロ地点からのトレーニング
第19章 おむつをつけたバレリーナ
第20章 リーロウ家の娘ダニー
第21章 初めてのクリスマス
第22章 どんなときも家族は一緒
第23章 世間の注目を集める
第24章 お兄さんという才能
第25章 ネグレクトを生き延びた子
エピローグ
謝辞
書誌情報
紙版
発売日
2012年05月11日
ISBN
9784062169837
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
282ページ
著者紹介
著: ダイアン&バーニー・リーロウ(ダイアン&バーニー・リーロウ)
ダイアン&バーニー・リーロウ 養子として迎え入れたダニーもふくめ、六人の子どもをもつ善き家庭人。 リーロウ夫妻が、ネグレクトされていた少女ダニーと出会い、引き取るまでを紹介した 『セント・ピーターズバーグ・タイムズ』紙の記事は大きな話題となり、ピューリッツア賞を受賞。 『オプラ・ウィンフリー・ショー』にも取り上げられ、全米に感動を巻き起こす。 テネシーの農場で、ミニチュアホース、山羊、鶏、ピレネー犬とともに自然と親しみながら暮らしている。
(にわた・ようこ) 翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。訳書に『ハーバード流企画実現力』『アメリカCEOのベストビジネス書100』(ともに講談社)、『都市から見る世界史』(武田ランダムハウスジャパン)などがある。