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悪道 御三家の刺客
アクドウゴサンケノシカク
- 著: 森村 誠一

徳川五代将軍・綱吉に成り代わった影将軍の善政で、天下の悪法「生類憐みの令」も緩和され、江戸の町も明るさを取りもどそうとしていた。影将軍の秘密を知る、忍者の末裔・流英次郎と仲間たちは、奥州や西国で密命を果たし、江戸に帰着してからは影将軍の親衛役を務めていた。そんな折、英次郎は偶然、麻薬中毒の娘を助けたことで、頻発する「神隠し」の正体に迫ることになる。どうやら、組織的な巨悪が動いているかもしれない。
徳川家五代将軍・綱吉に成り代わった影将軍の善政によって、天下の悪法「生類憐みの令」も緩和され、江戸の町も明るさを取りもどそうとしていた。影将軍の秘密を知る、忍者の末裔・流英次郎と仲間たちは、奥州や西国で密命を果たし、江戸に帰着してからは影将軍の親衛役を務めていた。そんな折、英次郎は町なかで人買いに捕まっていたという娘を助けることになる。ちさと名乗るその娘は、英次郎たちに保護されるとすぐに禁断症状を起こした。おそでの見立てによると、麻薬の中でも最も毒性の強い「阿芙蓉」のせいらしい。阿芙蓉使用者が江戸に現れたとなるとただ事ではない。他方、市中で頻発する「神隠し」の正体が、人買い商人の仕業であることがわかってくる。この阿芙蓉と神隠しが結びつくことで、組織的な巨悪がその輪郭を現してきた。もしかすると、幕府の屋台骨を揺るがすような事態が進行しつつあるのかもしれない。巨悪の候補に、なんと御三家の一家・紀州藩と、海商・十文字屋の名が浮かび上がってきたのだ。
目次
生きる拠点
医業の本分
屋台骨の病巣
第五民の局面
やり甲斐ある御命
西城の刺客
仕掛け花見
阿芙蓉名簿
忍剣対洋剣
黒潮の海戦
盲点の中の巨敵
許された“直登”
先手必勝作戦
雲動き空晴るる
対決前夜の栗
最後の洋剣客
香ばしい褒美
書誌情報
紙版
発売日
2013年07月26日
ISBN
9784062184373
判型
四六変型
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
314ページ
初出
『小説現代』2012年4~12月号 「悪道3」を改題