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日本の農業を破壊したのは誰か 「農業立国」に舵を切れ
ニホンノノウギョウヲハカイシタノハダレカノウギョウリッコクニカジヲキレ
- 著: 山下 一仁
農業村によって安楽死への道を強いられる日本の農業。農業就業者や農家戸数が大幅に減少するのに、なぜか増え続ける農協の組合員数。また、「日本の農業は競争力のない弱者」といった、“作られた”常識は、歪んだ農政を正当化し、食料安全保障についての不安をあおり、TPP反対の論拠とされてきた。日本はこのくびきから放たれてこそ真の農業立国となり得るのだ!
「原子力村」と同様に「農業村」も存在する。特定の利益が国の政策を歪めてきた点で、農業は電力の比ではない。「農業村」の主張が、「農業」の利益でない場合があまりに多いのだ。
農業就業者や農家戸数が大幅に減少するのに、なぜか増え続ける農協の組合員数。また、「日本の農業は競争力のない弱者」といった、農業村によって“作られた”常識・・・・・・。
JA農協を筆頭に、農林水産省、それに連なる農業経済学者などの農業専門家による妄説は、歪んだ農政を正当化し、“食料自給率の向上”など国民生活に欠かせない食料についての不安をあおり、TPP反対の論拠とされてきた。巧妙なプロパガンダによって、農業の発展は妨害され、国民への食料の安定供給の基盤も損なわれている。
しかし、これまで農業の発展を阻害してきた農業村と農政ををあらためれば、日本の農業はくびきから放たれ、発展していく。そのときこそ、真の農業立国の道が開かれるのだ。
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目次
●はじめに
●1章/農村は変わった
●2章/農家の今 ~「おしん」はもういない
●3章/農協の「オモテの顔」と「ウラの顔」
●4章/食料安全保障と食料自給率の虚実
●5章/安楽死を待つ日本の農業
●6章/農業立国への道
●おわりに ~農業の戦後は終わっていない
書誌情報
紙版
発売日
2013年09月18日
ISBN
9784062185851
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
258ページ
電子版
発売日
2013年10月25日
JDCN
0621858500100011000Y
著者紹介
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。 経済産業研究所上席研究員。 1955年、岡山県生まれ。1977年 東京大学法学部卒業後、農林省入省。農林水産省ガット室長、(在ベルギー)EU日本政府代表部参事官、食糧庁総務課長、国際部参事官、農村振興局次長 等を歴任。1982年、ミシガン大学行政学修士、同大学応用経済学修士。2002年、OECD農業委員会副議長。2005年、東京大学より博士(農学)を取得 。2008年、農林水産省退官。専門分野は、食料・農業政策、地域振興政策、農業と貿易交渉、環境と貿易、食品の安全と貿易等。 著書に、『農協の大罪』『農協の陰謀』(以上、宝島社新書)、『農業ビッグバンの経済学』(日本経済新聞出版社)、『詳解 WTOと農政改革』(食料・農業政策研究センター)、『国民と消費者重視の農政改革』(東洋経済新報社)、『フードdセキュリティ』『食の安全と貿易』『環境と貿易』(以上、日本評論社)、『TPPおばけ騒動と黒幕』(オークラNEXT新書)など。