立身いたしたく候

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立身いたしたく候

リツシンイタシタクソウロウ

文芸(単行本)

「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!


「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」

幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった!
戦国の世も今は昔、太平楽の時代における武士たちは、上役への朝駆け、水泳訓練、出張土産を考えて、試験勉強に明け暮れる……役目を得ても、上様のペットの餌を探したり、上司のパワハラ、部下の気鬱に悩まされ、はたまた何もできない老人が地位にしがみついて引退しない。「武士とは、仕事とはなにか」。新米武士の駿平が、「お家」を守るため、武家の世界をかけずり回って「立身出世」を試みる、シューカツ時代小説。


目次

●小普請組
●同朋衆
●徒組
●御膳所御台所
●長崎奉行
●勘定所吟味
●奥右筆
●旗奉行・槍奉行

書誌情報

紙版

発売日

2014年02月19日

ISBN

9784062187954

判型

四六変型

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

338ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    小普請組

    初出

    『小説現代』2012年6月号(「立身いたしたく候」を改題)

  • 作品名

    同朋衆

    初出

    『小説現代』2012年8月号(「坊主愛」を改題)

  • 作品名

    徒組

    初出

    『小説現代』2012年10月号(「水練男子」を改題)

  • 作品名

    御膳所御台所

    初出

    『小説現代』2013年4月号(「うらみぶし」を改題)

  • 作品名

    長崎奉行

    初出

    『小説現代』2012年12月号・2013年2月号(「へるへとわん 前篇」「へるへとわん 後篇」を改題)

  • 作品名

    勘定所吟味

    初出

    『小説現代』2013年6月号(「ぎんみーあちゃんす」を改題)

  • 作品名

    奥右筆

    初出

    『小説現代』2013年8月号(「へらないばこ」を改題)

  • 作品名

    旗奉行・槍奉行

    初出

    『小説現代』2013年10月号(「老人とうみ」を改題)

著者紹介

著: 梶 よう子(カジ ヨウコ)

梶よう子(かじ・ようこ) 東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説執筆を開始し、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞を受賞。2008年「一朝の夢」で松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビューを果たす。近著に、『夢の花、咲く』『柿のへた 御薬園同心 水上草介』『ふくろう』『お伊勢ものがたり―親子三代道中記―』がある。また、人気ゲームキャラクターを基にした『戦国BASARA3 石田三成の章』を著すなど、多彩な活躍を見せる最注目の若手時代小説家。

既刊・関連作品一覧