まほろばの王たち

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まほろばの王たち

マホロバノオウタチ

文芸(単行本)

家を焼かれた物部の姫・広足は、験者の長・大蔵(おおくら)に弟子入りすることになった。蘇我の神を討ち、相手を痛めつける大蔵を見て、妖に治癒の呪を唱えてしまう広足。形勢が逆転し瀕死の大蔵が助けを求めたのは、賀茂の行者・小角だった。小角は大蔵を助けてほしいなら、広足自身を捧げろと言う。広足が頷くと、小角は天竺の術を使い妖を退けた。かくして賀茂役小角と物部の末裔・広足、そして山の神々との冒険が始まる。


家を焼かれた物部の姫・広足(ひろたり)は、験者の集団である賀茂の一族の長・大蔵(おおくら)に弟子入りすることになった。
蘇我氏への反乱を企む鎌足に雇われた大蔵は、蘇我の神を討ち滅ぼし、宮中に残っていた妖を殲滅していく。一方的に相手を痛めつける大蔵を見て、妖に治癒の呪を唱えてしまう広足。
形勢が逆転し瀕死の大蔵が助けを求めたのは、賀茂の行者・小角(おづぬ)だった。青い光をまとい現れた青年は、広足に問う。
「娘よ。なぜ古き者を助けた」
答えられない広足に対し、小角は大蔵を助けてほしいなら、広足自身を捧げろと言う。広足が頷いたのを見て、小角は天竺の術を使って妖と対話し、飛鳥の宮から離れるよう願った。
そして妖が退き、宮殿に鎌足と中大兄王子が駆け込んできたとき、さきほどまでいたはずの小角の姿は消えていた。
そして5年後、広足のもとに一本の木簡が届く。
「約束の時は至れり」

かくして賀茂役小角と物部の末裔・広足、そして山の神々との冒険が始まる。


書誌情報

紙版

発売日

2014年03月06日

ISBN

9784062188289

判型

四六変型

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

274ページ

初出

『エソラ vol.15』に掲載された「役立ちの小角」を単行本化にあたり加筆修正したもの。

著者紹介

著: 仁木 英之(ニキ ヒデユキ)

1973年、大阪府生まれ。信州大学人文学部卒業。2006年『夕陽の梨』で歴史群像大賞最優秀賞、『僕僕先生』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。著作に僕僕先生』シリーズ、『千里伝』シリーズ、『五代史シリーズ』、『くるすの残光』シリーズ、『高原王記』『黄泉坂案内人』『我ニ救国ノ策アリ』『大坂将星伝』『撲撲少年』などがある。

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