
マイページに作品情報をお届け!
日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった
ニホンインターネットショキコノクニノインターネットハカイタイスンゼンノビルニマガリシタチイサナカイシャカラハジマッタ
- 著: 鈴木 幸一
インターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ――この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。インテル、グーグル、Amazon……インターネットには、これからどのような可能性が秘められているのか? 日本発の技術で、世界を変えるために必要なこととは?
Ⓒ鈴木幸一
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
第1章 黎明期――ロング・アンド・ワインディング・ロード
◎沈鬱の船出◎ふたりの訪問客◎10億円の皮算用◎徒手空拳で、通信の巨人に挑む◎戦争が産んだコンピュータ、インターネット◎1969年の衝撃◎立ちはだかる制度と役人の高い壁◎貧乏企業には事業をさせない◎「水と油」の電話とインターネット◎縦割り行政の弊害◎夜逃げ前と見紛う珍妙なオフィス◎金策に明け暮れる日々◎ようやく下りた事業認可◎思い込みが、世界を変えた
第2章 日本から世界へ
◎ファーストユーザー、怒り心頭◎打倒NTTへの布石◎ネット証券の夜明け◎災害に強いインターネット◎ネットの可能性を阻むもの◎地下鉄サリン事件の裏側で◎競争相手を育て、ガリバーに塩を送る◎アジアを経巡る「法螺吹き珍道中」◎スーパーの2階で生まれた新技術◎日本初、インターネットのライブ中継◎日本を飛び越え、ナスダック上場◎9・11に見たアメリカの底力◎技術に宿る身体感覚◎グーグルの強み、日本の懸念
第3章 壮大な夢の光芒――通信の巨人に挑む
◎夢が潰えた日◎消えかけた個人資産◎ネット専用インフラをつくる夢◎ネットワークは愚かでいい◎カネの切れ目が事業の切れ目◎革新的なアイディアの代償◎幻の映像配信サービス◎「ラストワンマイル」を巡って◎もうひとつの「巨人」との提携◎提携破談までの道のり◎買収工作への守りが裏目に◎経済情勢の悪化で資金繰り苦しく◎紛糾した債権者集会◎宿敵の支援を仰ぐ◎忘れられない夏
第4章 反転――日本のインターネットはどこへ向かうか
◎債務超過100億円からの再スタート◎競争激化、価格破壊のその先に◎隠れたばらまき行政◎技術革新を阻むもの◎インターネットが壊れる日◎ITを理解しない経営者たち◎日本に「IT産業」はない◎「日本発」の技術へのこだわり◎新体制の船出
第5章 インターネットの半世紀
◎実現しつつある「愚連隊エンジニア」たちの夢◎ウィキリークスがつきつけた課題◎ネットを監視下に置く国家権力◎ネットはテロ組織にも開かれている◎止められないサイバーテロ◎何を守る「セキュリティ」なのか◎個人情報は誰のものか◎インターネット時代の新聞の価値◎変わりゆくテレビを巡る風景◎ネットは経済を活性化させるのか◎ネットの未来
書誌情報
紙版
発売日
2015年03月13日
ISBN
9784062189446
判型
四六
価格
定価:2,860円(本体2,600円)
ページ数
476ページ
電子版
発売日
2022年04月29日
JDCN
06A0000000000496122I
著者紹介
株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役会長。昭和21年9月3日神奈川県生まれ。 早稲田大学文学部卒、昭和47年、日本能率協会入社。同協会に於いて、インダストリアル・エンジニアリング、新規事業開発などを担当。昭和57年退社。退社後、(株)日本アプライドリサーチ研究所 取締役就任。ベンチャー企業の育成指導、産業、経済の調査・研究、地域開発のコンサルテーション等を行う。平成4年12月(株)インターネットイニシアティブ企画を創立、取締役に就任。平成6年4月(株)インターネットイニシアティブ(IIJ) 代表取締役社長に就任。以来、日本における商用インターネットサービスの先駆者として、20年にわたり新しい通信インフラ市場を切り拓く。平成25年6月、代表取締役会長兼CEOに就任。引き続きIIJグループの事業全体を統括するとともに技術開発分野を主管し、新たな技術基盤やサービス開発の指揮をとる。著書に、『日々酔狂 -インターネット創業10年未だ交戦中』 (小学館刊)『言葉の水割り -酒と煙草と、ぼくの思いはインターネット』 (講談社刊)『鈴木幸一の文明漂論』 (日本経済新聞出版社刊)