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献灯使
ケントウシ
- 著: 多和田 葉子

大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットも無くなった鎖国状態の日本で、死を奪われた世代の老人義郎には、体が弱く美しい曾孫、無名をめぐる心配事が尽きない。やがて少年となった無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命に……。 原発事故後のいつかの「日本」を描いたデストピア文学の傑作!未曾有の“超現実“近未来小説集。
大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットも無くなった鎖国状態の日本で、死を奪われた世代の老人義郎には、体が弱く美しい曾孫、無名をめぐる心配事が尽きない。やがて少年となった無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命に……。
圧倒的な言葉の力で夢幻能のように描かれる’’超現実”の日本。
人間中心主義や進化の意味を問う、未曾有の傑作近未来小説。
目次
献灯使
韋駄天どこまでも
不死の島
彼岸
動物たちのバベル
書誌情報
紙版
発売日
2014年10月31日
ISBN
9784062191920
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
274ページ
初出
献灯使…群像2014年8月号、韋駄天どこまでも…群像2014年2月号、不死の島…『それでも三月は、また』(講談社、2012年)、彼岸…早稲田文学2014年秋号、動物たちのバベル…すばる2013年8月号。
収録作品
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作品名初出
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作品名
献灯使
初出
『群像』2014年8月号
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作品名
韋駄天どこまでも
初出
『群像』2014年2月号
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作品名
不死の島
初出
「それでも三月は、また」(講談社、2012年)
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作品名
彼岸
初出
『早稲田文学』2014年秋号
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作品名
動物たちのバベル
初出
『すばる』2013年8月号
著者紹介
多和田葉子 1960・3・23~。小説家、詩人。東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学修士課程修了。1982年よりドイツに住み、日本語・ドイツ語両言語で小説を書く。91年、「かかとを失くして」で群像新人文学賞受賞。93年、「犬婿入り」で芥川賞受賞。96年、ドイツ語での文学活動に対しシャミッソー文学賞を授与される。2000年、「ヒナギクのお茶の場合」で泉鏡花文学賞を受賞。同年、ドイツの永住権を獲得。また、チューリッヒ大学博士課程修了。2005年にはゲーテ・メダルを受賞するなど日本、ドイツ両国で活動。