ポール・スミザーの剪定読本

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ポール・スミザーの剪定読本

ポールスミザーノセンテイドクホン

 日本の植物と自然をこよなく愛し、日本で活動するガーデンデザイナーのポール・スミザーは、自然と人が触れ合うことのできるナチュラルガーデンを提唱して、自然志向の新しい流れをつくる原動力となっています。
 庭木はナチュラルガーデンを構成する要素として、宿根草やグラス類とともに重要な存在ですが、一度植えたら簡単に植え替えることはできません。したがって、植える目的や木の性質をよく知って種類を選び、植える場所や木と木の間隔を適切に取ることが大切です。
 ところがポールは「日本の庭には木が多すぎる」と声を大にして言います。「もっと木を少なくすること」が必要で、花屋で衝動買いするなどして庭に木を植えすぎた結果、なんだか分からない魅力のない庭になっているのです。
 ポールの自然流では、肥料や殺虫剤は用いません。与えるのは腐葉土かバーク堆肥のみです。これらを敷き詰めたり(マルチング)、シートを敷いて雑草を防ぎます。虫が来るのはむしろ歓迎すべきだとさえ言います。
 そして剪定は冬に枝先を切る剪定よりも、夏に茂りすぎたら不要な枝を抜く「枝抜き」をすすめます。さらに日本の庭師があまり行わない、株元から切って木を再生させる「コピシング」を多用します。
 これら従来の日本の庭師が教えてきた剪定法と一風違った、ユニークだが理論と経験に裏付けられた手入れ術を、きれいな写真と本人が描くイラストを駆使して、中級者~上級者向けの実用書とします。


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  • 次巻

目次

イントロダクション
日本の皆さん、庭木に手をかけすぎていませんか?
あなたはどうして木を切るのか?
Part1:木そのものを楽しむなら、自然に学べ!
Part2:目隠ししたいのなら地道にゆっくり!
Part3:花を愛でたいのなら、急がば回れ
ポール・スミザーとゆかいな仲間たち
 1ツリークライマー安藤義樹
 2プラントハンター荻巣樹徳
 3北杜市オオムラサキセンター跡部治賢
 4現代の名工・打ち刃物職人
Part:4葉っぱにまみれたいなら、思い切れ
Part:5シンボルツリーは、身の丈を知れ!
情報1樹木を知ろう!
   2樹木を知るには花を見ろ
   3いつ剪定したらいいのか?
   4コラム:バラだって恐れるに足らず
   5山に学ぶ、鳥や虫を呼ぶ剪定
   6木の健康を守る切り方
   7巷にあふれる良くない切り方

書誌情報

紙版

発売日

2016年05月19日

ISBN

9784062193696

判型

B5変型

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

96ページ

著者紹介

著: ポール・スミザー(ポール・スミザー)

ガーデンデザイナー、ホーティカルチャリスト(園芸家)。イギリス・バークシャー州生まれ。「英国王立園芸協会ウィズリーガーデン」および「米国ロングウッドガーデン」にて、園芸学とデザインを学ぶ。ガーデンデザイン、施工、園芸全般に関するコンサルティングや講師として活動の幅を広げる。2000年「第1回東京ガーデニングショー プレゼンテーションガーデン部門」でRHSプレミアアワード(最優秀賞)を受賞。地域の環境や風土を生かし、季節の移り変わりを感じさせる多年草を中心とした自然な雰囲気の庭づくりには定評がある。2001年より10年間に渡り、休耕田を利用して自らがつくった八ヶ岳ナチュラルガーデンを舞台に、初心者からプロまでを対象にワークショップ『プランツコース』を開催。自然の理に適ったこれからの庭づくりを実践的に指導。2009年より八ヶ岳南麓に在住。一般公開している作品では、宝塚ガーデンフィールズ『英国風ナチュラル庭園 シーズンズ』及び軽井沢絵本の森美術館内『ピクチャレスクガーデン』がある。 著書に、『ポール・スミザーの自然流庭づくり』『ポール・スミザーのおすすめ花ガイド』(講談社)ほか。

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