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ほぼ命がけサメ図鑑
ホボイノチガケサメズカン
- 著: 沼口 麻子
「人食いザメは存在しません!」――世界でただひとりの「シャークジャーナリスト」が命がけでご案内。その数509種、4億年前から地球に生息するサメを体当たりレポート!
わたしは「シャークジャーナリスト」という肩書きで、テレビ番組でサメの解説をしたり、専門学校でサメの講義をするなど、サメだけに特化した情報発信を生業にしています。仕事柄、わたしはサメに関するいろいろな質問をよく頂ききます。そのほとんどがこういった内容です。
Q サメに襲われない方法を教えてください。
Q 日本にも人食いザメはいるのでしょうか。
わたしはきっぱりこう答えます。
「人食いザメは存在しません」
人類よりも先、この地球に4億年前からすみつづけるサメは世界中に500種類以上存在し、百人いえ、百鮫百様なのです。全長17メートル(これまで確認された者最大サイズ)の「最大の魚類」ジンベエザメから、手のひらサイズのツラナガコビトザメまで、分布や生息域、繁殖方法も多様性に富み、その生態についてはまだまだわかっていないことが多い生物です。サメと聞いてUSJにある「ジョーズ」のモデルになったホホジロザメだけが思い浮かんだなら、哺乳類の説明をするときにライオンだけをみて、哺乳類を語ったり(実際にはネズミもカモノハシもヒトも哺乳類です)、フェラーリだけをみて車すべてを理解したように思うのと同じことです。
2017年7月20日、「久慈浜海水浴場にサメ30匹 遊泳禁止」というニュースが世間を騒がせました。こんなニュースを目にするたび、わたしは強い憤りを感じます。このときも水族館職員が調べたところ、出現したサメは、「ドチザメ」という種で、水族館のタッチプール水槽で飼われて子どもたちがよく触れているサメのひとつでした。「人食いザメは存在しません」――詳しくは本書を読んでいただくとして、怖いとしか認識されていない、サメの本当の姿を世の中に伝えるべく日々奮闘中のシャークジャーナリストが、地球上の海を旅して見たり食べたりの体当たり図鑑、ぜひご覧ください。
ⒸAsako Numaguchi
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書誌情報
紙版
発売日
2018年05月10日
ISBN
9784062205184
判型
変型
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
384ページ
電子版
発売日
2018年05月10日
JDCN
06A0000000000015795P
初出
本書は、「現代ビジネス」(http://gendai.ismedia.jp/)で連載された「サメに恋して」(2014年3月27日~2015年6月29日)をもとにあらたに書き下ろしたものです。
著者紹介
沼口麻子(ぬまぐち・あさこ) 1980年生まれ、静岡県在住。東海大学海洋学部を卒業後、同大学大学院海洋学研究科水産学専攻修士課程修了。 在学中は小笠原諸島父島周辺海域に出現するサメ相調査とその寄生虫(Cestoda 条虫類))の出現調査を行う。現在は、世界で唯一の「シャークジャーナリスト」として、世界中のサメを取材し、サメという生き物の魅力をメディアなどで発信している。サメ談話会やオンラインサロン「サメサメ倶楽部」https://lounge.dmm.com/detail/645/を主宰。 Twitter https://twitter.com/sharkjournalist Instagram https://www.instagram.com/sharkjournalist/ Facebook https://www.facebook.com/samezanmai/