森家の討ち入り

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森家の討ち入り

モリケノウチイリ

文芸(単行本)

赤穂四十七士――その中に、津山森家に縁が深いものたちがいた。神崎与五郎、横川勘平、茅野和助。彼らはそれぞれの理由から、赤穂藩主・浅野長矩に仕え、刃傷事件からの吉良邸討ち入り、そして最後は帰らぬ人となった。忠義のために生きた彼らと、そこには彼らを支える、「女」たちの戦いもあった。それぞれの忠義のために、己の生き様を貫いた男と女の姿が、そこにはあった――。新たな忠臣蔵の傑作が、ついに登場。


『与五郎の妻』
ゆいは5年前まで江戸詰めの夫と目黒の下屋敷で暮らしていた。ところが騒乱のせいで津山森家が改易、夫とは離縁を余儀なくされる。一度は実家へ戻ったゆいだったが、再び嫁ぎ、今は江戸作事奉行の妻となっていた。前の夫―神崎与五郎の消息は分からぬまま、日々淡々と過ごしていた。そんなゆいのもとに、謎の人物から、森家の家紋が入った扇が届けられた。一体誰が、何のために。そして前の夫は――。

『和助の恋』
国家老の密命を帯びた茅野和助は先代の死去に伴い、津山森家の家督を継ぐことになった式部衆利のもとへ急いでいた。その道中、何ものかに襲われる。そこに通りがかった、赤穂浅野家の陣屋に住まう郡奉行・吉田忠左衛門一行により助けられる。そこで和助は手厚い看護を、伊登から受ける。

『里和と勘平』
里和は津山森家存亡の危機を阻止するため、御犬小屋に忍び込んだ。そこで出会ったのは、かつて思い合っていた横川勘平、その人だった。遂げられれなかった思いが再燃する二人。だが、今は立場があまりにも違う二人がとった道は――。

他2編書き下ろし収録。


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目次

長直の饅頭
与五郎の妻
和助の恋
里和と勘平
お道の塩

書誌情報

紙版

発売日

2017年12月08日

ISBN

9784062208840

判型

四六変型

価格

定価:1,595円(本体1,450円)

ページ数

226ページ

初出

「与五郎の妻」…「小説現代」2017年1月号、「和助の恋」…「小説現代」2017年8月号、「里和と勘平」…「小説現代」2017年9月号、「長直の饅頭」「お道の塩」は書き下ろし。

収録作品

  • 作品名

    長直の饅頭

    初出

    書き下ろし

  • 作品名

    与五郎の妻

    初出

    『小説現代』2017年1月号

  • 作品名

    和助の恋

    初出

    『小説現代』2017年8月号

  • 作品名

    里和と勘平

    初出

    『小説現代』2017年9月号

  • 作品名

    お道の塩

    初出

    書き下ろし

著者紹介

著: 諸田 玲子(モロタ レイコ)

静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒業後、外資系企業勤務を経て、翻訳・作家活動に入ったのち歴史、時代小説を執筆。 1996年『眩惑』でデビュー。2003年『其の一日』で第24回吉川英治文学新人賞、2007年『奸婦にあらず』で第26回新田次郎文学賞、2012年『四十八人目の忠臣』で第1回歴史時代小説クラブ賞作品賞を受賞。 『お鳥見女房』シリーズ、『あくじゃれ瓢六』シリーズなど長期人気シリーズも多数。著作も『王朝小遊記』『日月めぐる』『ともえ』『お順 勝海舟の妹と五人の男』『帰蝶』など多数。最新刊は『今ひとたびの、和泉式部』。

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