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土蜘蛛奇談(上)
ツチグモキダン

――細い三日月の下、その男は橋のたもとに佇んでいた。夜風にふくらんだ長い袖。白皙(はくせき)の頬にこぼれかかる、つややかな髪――。天本の姿だ。しかし、敏生(としき)の喜びは束の間だった。男は敏生に手をさしのべることもせずに消えてしまった。あたかも雲隠れしてしまった月のごとくに――。追儺師(ついなし)・天本と半精霊・敏生。夢のなかの妖しを追って、たどりついた先とは……!?
――細い三日月の下、その男は橋のたもとに佇んでいた。夜風にふくらんだ長い袖。白皙(はくせき)の頬にこぼれかかる、つややかな髪――。
「天本さん……!」
(やっと会えた。やっと、僕を見つけてくれた)
だが、敏生(としき)の喜びは束の間だった。男は敏生に手をさしのべることもせずに消えてしまった。あたかも雲隠れしてしまった月のごとくに――。
追儺師(ついなし)・天本と半精霊・敏生。夢のなかの妖しを追って、たどりついた先とは……!?
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書誌情報
紙版
発売日
1999年04月23日
ISBN
9784062554015
判型
A6
価格
定価:737円(本体670円)
ページ数
318ページ
シリーズ
講談社X文庫
電子版
発売日
2013年11月08日
JDCN
0625540100100011000K