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文学の誕生 藤村から漱石へ
ブンガクノタンジョウ トウソンカラソウセキヘ
- 著: 大東 和重

漱石は軽文学の王だった!
日露戦争は、日本の近代文学が成立するうえで、大きなターニングポイントになった。「日露戦後」文学とは、どのようにつくり出され、社会に定着していったのか。島崎藤村、国木田独歩、田山花袋、小栗風葉、夏目漱石という、当時を代表する5人の作家に焦点を当て、それぞれの評価の転変を詳細に跡づけながら、近代日本の歴史の中で、文学が文学となった時を考証する、俊秀の鮮烈なデビュー作。
【目次】
序章 文学の新紀元 日露戦後新文学の勃興
一 文学の新紀元
二 新文学と旧文学
三 新しい文学評価の座標軸
第一章 技術批評を超えて 島崎藤村『破戒』の表層と深層
一 「鬱勃たる精神」
二 技術批評 テーマ・素材・人物造型・構成・文章
三 作家への期待と作品への失望
四 作家の真面目な態度 技術批評を超えて
五 『破戒』の受難と復活
第二章 〈自己表現〉の時代 〈国木田独歩〉を読む〈私〉
一 「僕は魔法使ひではない」
二 悪文と主観の突出 「小説との命名さへ、頗る疑はしきもの」
三 作品から作者へ 「小説以上の作物」
四 作品から読者へ 〈国木田独歩〉を読む〈私〉
五 「独歩は独歩である」
第三章 読むことの規制 田山花袋『蒲団』と作者をめぐる思考の磁場
一 「空想に耽つて立尽した時雄」
二 〈告白小説〉としての『蒲団』 「大胆なる懺悔録」
三 〈客観小説〉としての『蒲団』 「客観の描写」
四 作者をめぐる思考の磁場 「自意識的な現代性格の見本」
五 『蒲団』と私小説論争
第四章 文学の〈裏切り〉 小栗風葉をめぐる・文学をめぐる物語
一 「従来の写実派では飽足らない」
二 内面の作品 活躍する「主観的」風葉
三 表面の作品 没落する「客観的」風葉
四 文学の〈裏切り〉 風葉と代作
五 「アアチスト」と「アリチザン」
第五章 軽文学の王・夏目漱石 あるいは明治四十年、文学の自己同一化
一 「美しい感じ」
二 軽文学の王・夏目漱石
三 茶番作家・夏目漱石
四 争奪戦の舞台裏 「作家と作物を混同する勿れ」
五 「近眼鏡」を掛けられて
終章 文学のための物語 文学概念・文学史
一 文学概念の規定
二 文学史の記述
三 文学のための物語
典拠・引用について
注
あとがき
- 前巻
- 次巻
目次
序章 文学の新紀元 日露戦後新文学の勃興
一 文学の新紀元
二 新文学と旧文学
三 新しい文学評価の座標軸
第一章 技術批評を超えて 島崎藤村『破戒』の表層と深層
一 「鬱勃たる精神」
二 技術批評 テーマ・素材・人物造型・構成・文章
三 作家への期待と作品への失望
四 作家の真面目な態度 技術批評を超えて
五 『破戒』の受難と復活
第二章 〈自己表現〉の時代 〈国木田独歩〉を読む〈私〉
一 「僕は魔法使ひではない」
二 悪文と主観の突出 「小説との命名さへ、頗る疑はしきもの」
三 作品から作者へ 「小説以上の作物」
四 作品から読者へ 〈国木田独歩〉を読む〈私〉
五 「独歩は独歩である」
第三章 読むことの規制 田山花袋『蒲団』と作者をめぐる思考の磁場
一 「空想に耽つて立尽した時雄」
二 〈告白小説〉としての『蒲団』 「大胆なる懺悔録」
三 〈客観小説〉としての『蒲団』 「客観の描写」
四 作者をめぐる思考の磁場 「自意識的な現代性格の見本」
五 『蒲団』と私小説論争
第四章 文学の〈裏切り〉 小栗風葉をめぐる・文学をめぐる物語
一 「従来の写実派では飽足らない」
二 内面の作品 活躍する「主観的」風葉
三 表面の作品 没落する「客観的」風葉
四 文学の〈裏切り〉 風葉と代作
五 「アアチスト」と「アリチザン」
第五章 軽文学の王・夏目漱石 あるいは明治四十年、文学の自己同一化
一 「美しい感じ」
二 軽文学の王・夏目漱石
三 茶番作家・夏目漱石
四 争奪戦の舞台裏 「作家と作物を混同する勿れ」
五 「近眼鏡」を掛けられて
終章 文学のための物語 文学概念・文学史
一 文学概念の規定
二 文学史の記述
三 文学のための物語
典拠・引用について
注
あとがき
書誌情報
紙版
発売日
2006年12月09日
ISBN
9784062583787
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
通巻番号
378
ページ数
260ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
著者紹介
1973年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士。専攻は日中比較文学。近畿大学語学教育部講師。論文に「〈自意識〉の肖像 田山花袋『蒲団』と郁達夫『沈淪』」など多数。