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観光人類学の挑戦 「新しい地球」の生き方
カンコウジンルイガクノチョウセンアタラシイチキュウノイキカタ
- 著: 山下 晋司

東京・バリ・カリフォルニア……
観光と移住が織りなす「越境の民族誌」
グローバル化が進行する中で、国境を越えて移動する人びとは世界全体で年間10億人に達しようとしている。東京の下町で、熱帯雨林の島で、中国の世界遺産で、それぞれに繰り広げられる文化景観はすべてリゾーム状につながり、地球はもはや境界のない大きな空間になっているのだ。本書では、ボーダレス時代の観光/移住のありようを描き出し、「一つの世界にともに生きる」とはどういうことか、人類学の新たな試みとして論じていく。
【目次】
第一章 「新しい地球」の生き方を探る
第二章 越境する日本人女性 ── 女たちのグローバル化
第三章 フィリピーナたちの夢 ── 移民が普通に暮らせる日
第四章 世界遺産という文化資源 ── バリ・白川郷・麗江
第五章 熱帯雨林のアイロニー ── マレーシア・サバのエコツーリズム
第六章 「南」の観光歴史学 ── ミクロネシア・パラオにおける観光と植民地主義
第七章 ロングステイ ── 暮らすように旅すること
第八章 新しい地球、新しい日本 ── 一つの世界にともに生きる
注
あとがき
参照文献
Ⓒ
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目次
第一章 「新しい地球」の生き方を探る
1 時間と空間の圧縮
2 グローバル化の現在
3 越境の民族誌のパースペクティブ
4 リゾームの入り口として
5 観光人類学の挑戦
第二章 越境する日本人女性 ── 女たちのグローバル化
1 ニッポンを出る人びと
2 国境を越える女性たち
3 バリの日本人妻たち
4 カリフォルニアOL留学
5 国際結婚の文化景観
6 越境の時代、女性の時代
第三章 フィリピーナたちの夢 ── 移民が普通に暮らせる日
1 ニッポンに来る人びと
2 揺れる日本の国境
3 「ジャパゆきさん」現象
4 アジアからの花嫁
5 子どもは日本人
6 エンターテイナーから英語教師へ
7 内側からのグローバル化
第四章 世界遺産という文化資源 ── バリ・白川郷・麗江
1 資源化する文化
2 バリ文化の観光資源化
3 世界の文化資源として
4 岐阜県白川郷
5 中国雲南省麗江
6 世界遺産の政治学
第五章 熱帯雨林のアイロニー ── マレーシア・サバのエコツーリズム
1 観光先進国マレーシア
2 サバ州における観光政策と観光市場
3 エコツーリズムの位置づけ
4 現場のアイロニー
5 ホームステイ・プログラム
6 観光とエコロジー
第六章 「南」の観光歴史学 ── ミクロネシア・パラオにおける観光と植民地主義
1 パラオの歴史と観光
2 ダイビングと慰問
3 「南」イメージの形成
4 土方久功とストーリーボード
5 観光のなかの出会い
6 再び歴史のなかへ
第七章 ロングステイ ── 暮らすように旅すること
1 背景 146
2 マレーシアという選択肢
3 「癒しの島」バリで
4 「老いてアジアをめざす」
5 ロングステイとメディカルツーリズム
6 観光と移住のあいだ
第八章 新しい地球、新しい日本 ── 一つの世界にともに生きる
1 境界のない世界
2 世界は混じり合い、混じり合わない
3 多民族国家ニッポン
4 グローバル・イデオスケープ
5 人類学の新しい地平
6 一つの世界にともに生きる
注
あとがき
参照文献
書誌情報
紙版
発売日
2009年01月10日
ISBN
9784062584302
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
通巻番号
430
ページ数
220ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2015年07月24日
JDCN
0625843000100011000N
著者紹介
1948年、山口県に生まれる。東京大学教養学部卒業。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は文化人類学。トランスナショナリティ(越境)という視点から、観光や移住といったテーマをとりあげ、グローバル化に伴う新しい社会の展開や文化の生成について研究している。 編著書に『移動の民族誌』(岩波書店)、『バリ―観光人類学のレッスン』(東京大学出版会)、『文化人類学入門』(弘文堂)などがある。
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