慈悲をめぐる心象スケッチ

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慈悲をめぐる心象スケッチ

ジヒヲメグルシンショウスケッチ

講談社文庫

「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。はたしてそうなのか。著者は反芻(はんすう)し、問い直す。しかし賢治はそう確信して「慈悲」を希求し、それゆえ自らに怒りを向ける。「世界のぜんたい」に人生を捧げる。痛ましいほど美しく清らかな賢治の想いを、同じく文学と宗教に生きる著者が描く。(講談社文庫)


宮澤賢治が求めて止まなかった「慈悲」と「利他」への想いを、同じく文学と宗教に生きる著者が、せつなくも実感を込めて描く。

「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。はたしてそうなのか。著者は反芻(はんすう)し、問い直す。しかし賢治はそう確信して「慈悲」を希求し、それゆえ自らに怒りを向ける。「世界のぜんたい」に人生を捧げる。痛ましいほど美しく清らかな賢治の想いを、同じく文学と宗教に生きる著者が描く。

――なにより人間の情愛は特定の相手に束縛されることであり、慈悲はその束縛から解放されて初めて発現する。古いウパニシャッドに「心の結び目をほどくこと」と表現されるのもそういうことである。愛は結び、慈悲はほどくのだ。――<本文より>


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目次

まえがき 檻のなかの篝火
第一章 「春と修羅」の周辺
第二章 愛と慈悲、そして行き過ぎる表現
第三章 動物への慈悲、あるいは美しき徒花
第四章 静なる職業と慈悲
第五章 自力の慈悲、他力の慈悲
第六章 慈悲と通信
第七章 「もう一つの国」と植物たち
第八章 田園とインドラの網
第九章 慈悲のからだと「雨ニモマケズ」
第十章 「聴く」という慈悲
あとがき 拈華苦笑?

書誌情報

紙版

発売日

2011年01月14日

ISBN

9784062767972

判型

A6

価格

定価:545円(本体495円)

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2014年03月07日

JDCN

0627679700100011000D

初出

2006年8月に、小社より単行本として刊行されたもの。

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