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マウス
マウス
- 著: 村田 沙耶香

私は内気な女子です――無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律(りつ)は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。(講談社文庫)
教室の中、女子にとって大切なこと。
同じ匂いの女子同士でつるむこと。
ヒミツを打ち明ける順番を守ること。
教室の風景に溶け込むこと。
支配している価値観を飛び越えないこと。
自分はクラスの中の脇役だと理解すること。
私は内気な女子です――無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律(りつ)は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。
小学校の頃から、女子はたいへん。思春期、教室に渦巻いていた感情をもう一度。
「学校という場所は、スーパーに似ている。私たちは陳列されているのだ。そしてそれを評価するのは、教師じゃなくて、子どもたち。これも学校の勉強のひとつなんだよ、お母さん」
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書誌情報
紙版
発売日
2011年03月15日
ISBN
9784062769129
判型
A6
価格
定価:704円(本体640円)
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2014年04月11日
JDCN
0627691200100011000L
初出
2008年3月に小社より単行本として刊行した。