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老猿
ロウエン
- 著: 藤田 宜永

定年を目前に妻子と別れ、ひとり軽井沢の陋屋(ろうおく)に移り住んだ中里太郎。寂寞に包まれた生活が揺れ動きだしたのは、向かいに暮らす変わった年寄りを「老猿」と名付けたときからだった。老猿、そして瀟洒な別荘で愛人生活を送る中国女の正体は。奇妙な隣人と共にいつしか日常を逸脱した中里は、思わぬ地へと向かう。(講談社文庫)
ありふれ男の平穏は唐突に破られ、思いがけない冒険が始まった。
若い女と、「老猿」と共に。
定年を目前に妻子と別れ、ひとり軽井沢の陋屋(ろうおく)に移り住んだ中里太郎。寂寞に包まれた生活が揺れ動きだしたのは、向かいに暮らす変わった年寄りを「老猿」と名付けたときからだった。老猿、そして瀟洒な別荘で愛人生活を送る中国女の正体は。奇妙な隣人と共にいつしか日常を逸脱した中里は、思わぬ地へと向かう。
私は六十年間、淫したものはない。(中略)淫するものがなかったということは地獄を見ずにすんだということだ。微温の中の幸福を生きてきた気がした。――<本文より>
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書誌情報
紙版
発売日
2013年06月14日
ISBN
9784062775700
判型
A6
価格
定価:943円(本体857円)
ページ数
560ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2013年07月12日
JDCN
0627757000100011000A
初出
講談社創業100周年記念書き下ろし作品として、2010年6月に小社より単行本として刊行された。