老猿
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老猿

ロウエン

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雪に閉ざされた3ヵ月。女の謎、老人の秘密。 軽井沢、パリ、北京――ごくありふれた男に、冒険の時が訪れた。 著者渾身、12年ぶりの書下ろし 元ホテルマンの私は、父の遺産である軽井沢の別荘に移り住んだ。向かいには、高村光雲の彫刻作品から私が<老猿>と名付けた、変わった老人が住んでいた。もう一軒、向かいの豪華な別荘の持ち主が、ある日、中国人女・春恋(チェンリャン)を連れてやってきた。そして、奇妙な人間関係が絡み合い、冬から春へと季節が移っていく――。 講談社創業100周年記念出版

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老猿
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老猿

発売日:2013年06月14日

定年を目前に妻子と別れ、ひとり軽井沢の陋屋(ろうおく)に移り住んだ中里太郎。寂寞に包まれた生活が揺れ動きだしたのは、向かいに暮らす変わった年寄りを「老猿」と名付けたときからだった。老猿、そして瀟洒な別荘で愛人生活を送る中国女の正体は。奇妙な隣人と共にいつしか日常を逸脱した中里は、思わぬ地へと向かう。(講談社文庫) ありふれ男の平穏は唐突に破られ、思いがけない冒険が始まった。 若い女と、「老猿」と共に。 定年を目前に妻子と別れ、ひとり軽井沢の陋屋(ろうおく)に移り住んだ中里太郎。寂寞に包まれた生活が揺れ動きだしたのは、向かいに暮らす変わった年寄りを「老猿」と名付けたときからだった。老猿、そして瀟洒な別荘で愛人生活を送る中国女の正体は。奇妙な隣人と共にいつしか日常を逸脱した中里は、思わぬ地へと向かう。 私は六十年間、淫したものはない。(中略)淫するものがなかったということは地獄を見ずにすんだということだ。微温の中の幸福を生きてきた気がした。――<本文より>

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