司法記者

マイページに作品情報をお届け!

電子あり

司法記者

シホウキシャ

講談社文庫

地検特捜部が追うゼネコン汚職事件は中央政界にも波及していた。元国交相の収賄疑惑という大スクープの直後、掲載紙の美人記者が絞殺された。逮捕されたライバル紙記者は殺人容疑を全面否認、何かを隠し沈黙する。悲劇の裏に潜むのは、スクープを求める記者の意地と、「正義」と銘打たれた特捜部の横暴で杜撰な捜査だった。記者が守る「秘密」を唯一知る特捜検事は、己が所属する「日本最強の捜査機関」との対決を決意する。


県知事への献金に端を発したゼネコン汚職事件は、中央政界にも波及していた。
元国交相の収賄疑惑という大スクープの直後、掲載紙の美人記者が絞殺された。遺体が発見されたのはライバル紙記者の自宅。ともに司法記者クラブに詰める二人には面識があり、状況からも彼以外に犯行は不可能。しかし記者は殺人容疑を全面否認、何かを隠し沈黙する。

悲劇の裏に潜むのは、過激なスクープを求める記者の欲と、「正義」と銘打たれた特捜部の、横暴で杜撰な捜査だった。

記者の「秘密」を知っているのはたった一人の特捜検事だけ。正義にあこがれて目指した検察特捜部の実情に絶望した彼は、禁じられたマスコミとの接触を図っていたのだ。
殺人事件を知った彼は記者との潔白を証明するため、「日本最強の捜査機関」検察特捜部との対決を決意する。自身も所属するその機関への反逆は、検事人生を危険にさらすことを意味していた。

内部にいた人間しか書けない検察不祥事の根幹がここにある。
「ヤメ検」弁護士があえて「小説」として描いた、検察と司法メディアの正体。
佐々木讓氏絶賛の問題作、ついに文庫化&2014年5月よりWOWOWでドラマ化!


オンライン書店で購入する

目次

1 密室
2 特捜検事
3 警察捜査
4 司法記者クラブ
5 日本最強の捜査機関
6 女性記者殺人事件捜査本部
7 東京拘置所
8 特捜検事失格
9 政界ルート
10 逮捕
11 Xデー
12 苦悩
13 消えた証拠
14 逮捕許諾請求
15 着地点
エピローグ

書誌情報

紙版

発売日

2014年04月15日

ISBN

9784062777940

判型

A6

価格

定価:759円(本体690円)

ページ数

336ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2014年05月02日

JDCN

0627779400100011000U

初出

2011年10月、小社より単行本として刊行された。

著者紹介

著: 由良 秀之(ユラ ヒデユキ)

1977年東京大学卒業、民間会社勤務を経て、1983年検事任官。 東京地検特捜部、法務省法務総合研究所等に勤務。 2006年に退官、弁護士登録、東京都内で法律事務所開設。 大学教授として研究・教育にも従事。

オンライン書店一覧

既刊・関連作品一覧

製品関連情報