高級な友情 小林秀雄と青山二郎

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高級な友情 小林秀雄と青山二郎

コウキュウナユウジョウコバヤシヒデオトアオヤマジロウ

講談社文芸文庫

文圃堂主人が綴る文士たちの壮絶な“友情”ドラマ

昭和6年、本郷東大正門前に開業した古書店兼出版社・文圃堂。売り場面積3坪余り、主人は21歳になったばかりの青年。中原中也の『山羊の歌』、最初の『宮沢賢治全集』を出版、第2次「文學界」の発行所となったが、僅か6年にして廃業。しかし、若者は昭和文学史を彩る多くの文学者達に愛された。小林秀雄、青山二郎、河上徹太郎、そして吉田健一。昭和の知的青春に揉まれ成長した、個性際立つ一出版人の貴重な証言。

長谷川郁夫
小林秀雄、河上徹太郎、そして青山二郎。――かれらが全身を賭して護り育てたのは、創造としての批評の成熟であった。その壮絶なまでの“友情”のドラマは、批評もまた、小説と同じように、肉体をもつものであることを示すものであった。その現場の証言者として選ばれたのが、野々上さんだった。いや、もしかすると、野々上慶一こそが、かれら3人が見事に造型した作品であったのかも知れない。今にして、そのことにようやく気付くのである。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2008年08月10日

ISBN

9784062900232

判型

A6

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

288ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

「思い出の小林秀雄」(2003年2月、新潮社刊) 「さまざまな追想」(1985年1月、文藝春秋刊) 「高級な友情」(1989年11月、小沢書店刊)を底本とし、多少ふりがなを加えた。

収録作品

  • 作品名

    小林秀雄と「文學界」

    初出

    『波』2001年4月号

  • 作品名

    小林秀雄の「中原中也の思ひ出」について

    初出

    『湘南文学』1999年夏号

  • 作品名

    小林秀雄さんの墓

    初出

    『新潮』1987年4月号

  • 作品名

    小林秀雄と青山二郎

    初出

    『新潮』1986年8月号

  • 作品名

    高級な友情の表現

    初出

    『新潮』1986年12月号

  • 作品名

    小林秀雄カラミ道場

    初出

    『新潮45』1987年3月号

  • 作品名

    小林秀雄服装考

    初出

    『新潮45』1987年7月号

  • 作品名

    小林さんとの飲み食い五十年

    初出

    『新潮』1984年4月号

  • 作品名

    青山二郎の鑑賞眼

    初出

    『The骨董』1984年12月、読売新聞社

  • 作品名

    ある回想

    初出

    『新潮』1994年4月号

  • 作品名

    懐しい「乞食王子」

    初出

    『新潮』1987年9月号

  • 作品名

    吉田の健坊と飲み食い話

    初出

    『吉田健一著作集』第3巻月報、1979年1月

著者紹介