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詩とダダと私と
シトダダトワタシト
- 著: 吉行 淳之介

吉行文学の抑えた描写に垣間見える詩情――学生時代、萩原朔太郎に影響を受けての詩作が、その文学的出発となった作家の、生涯変わらぬ本質の現れであった。若き日に書いた詩の数々、苦悩の中で文学を志した戦中戦後の回想、昭和初期文壇で異彩を放った父エイスケの詩篇、恩師が翻訳した「ダダの歴史」をあわせて収録。吉行淳之介の全体像把握に必須のユニークな詩文集。
吉行文学の原点というべき若き日の詩篇
小説作品において性を媒介とした人間関係を描きつづけた作家の原点には、若き日に綴った詩の数々があった。
ダダイストの父・吉行エイスケの詩篇もあわせて収録。
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目次
詩篇
挽歌
月光
盛夏
白鳥賦
二行詩
短唱──懶惰──
懶い恐れの夜
帰郷
饗宴
薄明
予感
工場の窓から
隔離病室にて
雪
両棲(散文詩風)
詩の周辺
詩との出会いおよびその後
詩より詩的なもの
「帝国」のなくなった時期
わが詩歌
好きな詩
ダダ雑感
窮死した詩人との出会い
父エイスケについて
吉行エイスケについて
吉行エイスケ詩篇
退屈
恋
色気
青い舌
おいぼれ
肺病患者
対象
恋の経過
乳
アリノミご機嫌伺い
アルコール飯
外的肖像
おいなりさん
丸窓から酒をのむ
キス
浮かれた概念
アザ
不機
書誌情報
紙版
発売日
2010年02月11日
ISBN
9784062900775
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2014年04月25日
JDCN
0629007700100011000F
初出
作品社刊「詩とダダと私と」(1979年6月)を底本としたが、詩「帰郷」と参考資料の「あとがき」は福武文庫版(福武書店刊、1986年7月)を底本とした。本文中、ふりがなを多少加え、明らかな誤植と思われる箇所は訂正したが、原則として底本に従った。