銀色の鈴

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銀色の鈴

ギンイロノスズ

講談社文芸文庫

身辺の移り変わりをユーモアとペーソスで綴った名短篇集

前妻の死から再婚までを淡々と綴った表題作、戦時下、疎開先での教員体験をユーモラスに描いた「古い編上靴」――これら世評の高い<大寺さん>シリーズほか、伯母の家の凋落に時代の変遷を重ねる「小径」、戦前の良き時代の交友を哀惜の情をもって語る「昔の仲間」など、7作品を収録。滋味あふれる洗練された筆致で、ほのぼのと温かい独特の世界を創り出した「小沼文学」中期の代表的作品集。

清水良典
小沼の小説においては、「可笑しい」をはじめとする「驚いた」「吃驚した」「閉口した」といった心的印象の結語は、心理の簡潔な表示というよりも、ほとんど「心理」を封印している。同時にそれはまったく別の経路から、心があふれ出す出口なのである。ことに「可笑しい」は、小沼らしさを象徴している言葉である。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2010年12月12日

ISBN

9784062901062

判型

A6

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

256ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

未知谷刊「小沼丹全集」第2巻(2004年7月)を底本とし、新かな遣いに改め、振りがなを追加した。また、本文中、明らかな誤植と思われる箇所は正しましたが、その際、小澤書店刊「小沼丹作品集」3(1980年4月)および講談社刊「銀色の鈴」(1971年5月)を適宜参照した。

収録作品

  • 作品名

    小径

    初出

    『群像』1969年12月

  • 作品名

    猫柳

    初出

    『婦人之友』1969年4月

  • 作品名

    山のある風景

    初出

    『群像』1969年6月

  • 作品名

    古い編上靴

    初出

    『群像』1967年9月

  • 作品名

    落葉

    初出

    『婦人之友』1971年1月

  • 作品名

    昔の仲間

    初出

    『群像』1970年8月

  • 作品名

    銀色の鈴

    初出

    『群像』1971年2月

著者紹介