
マイページに作品情報をお届け!
ルイズ 父に貰いし名は
ルイズチチニモライシナハ
- 著: 松下 竜一

講談社ノンフィクション賞!
運命の子から、自立した人へ事実に肉迫する記録者の目が人と時代を照射する
国家権力によって虐殺されたアナキスト大杉栄と伊藤野枝。父母の遺骨を前に無邪気にはしゃいでいた末娘のルイズは、父の名づけた革命家の名と“主義者の子”の十字架を背負い、戦前戦後を平凡に生きた。そして、やがて訪れた、一人の自立した人間としての目覚め。一年六ヵ月に亘る聞き取りと事実に肉迫する記録者の視線が、一女性の人生と昭和という時代を鮮やかに照射する。講談社ノンフィクション賞受賞作。
鎌田 慧
この作品のサブタイトルが、「父に貰いし名は」と題されているのは、せっかく両親がつけた革命的な名前を、改名させた社会の圧迫への抗議がこめられている。(略)留意子がルイにもどるまでの喘ぎが、この作品の重い通低音となっているのだが、苦難の生活のなかから、彼女はしだいに両親の活動を意識するようになり、それをすこしでも引き受けようとする。さわやかに自立の道を歩きはじめたルイと出会った著者の感動が、熱烈な取材交渉と長期のインタビューとなって、ここに結実した。――<「解説」より>
※本書は『松下竜一 その仕事17 ルイズ――父に貰いし名は』(平成十二年三月、河出書房新社刊)を底本としました。
オンライン書店で購入する
書誌情報
紙版
発売日
2011年09月10日
ISBN
9784062901345
判型
A6
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
384ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
「松下竜一その仕事17ルイズ-父に貰いし名は」(2000年3月、河出書房新社刊)を底本とした。明らかな誤記誤植であると思われる箇所は正し、振り仮名を多少増減するなどしたが、原則として底本に従った。