風立ちぬ ルウベンスの偽画

マイページに作品情報をお届け!

風立ちぬ ルウベンスの偽画

カゼタチヌルウベンスノギガ

講談社文芸文庫

生と文学。強くしなやかな精神。堀辰雄の不朽の作品集。

婚約者への愛と、サナトリウムの生活、そして死を描いた名作「風立ちぬ」。著者の文学のテーマともいうべき「楡の木」(「物語の女」の改稿)は、やがて「菜穂子」へと続く……。ぎりぎりの生と文学の美しさと、またその底流を支える強靭な精神。堀辰雄の原点ともいえる作品集。

佐々木基一
清らかな、美しい世界を書くということは、やはり自分の内面に相当強く耐えるものがあったと思います。その耐える力の強さが、(中略)何か人間の根源に触れたみたいな力を感じさせる。そこが堀文学の生命だと思います。それと病気ということとが重なって、生の極限というか、生命の極限の場所でぎりぎりに生きている。――<「昭和の文学 堀辰雄」より>

※本書は、講談社刊『日本現代文学全集・増補改訂版』第76巻(1980年5月)を底本とし、「楡の家」のみは、新潮文庫(1968年11月)を底本としました。


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

2011年12月10日

ISBN

9784062901420

判型

A6

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

320ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

講談社刊「日本現代文學全集・増補改訂版」第76巻(1980年5月)を底本とし、「楡の家」のみは、新潮文庫(1968年11月)を底本とした。また新漢字・新かなづかいに改め、明らかな誤植と思われるものは正したが、原則として底本に従った。

著者紹介