ベトナム報道

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ベトナム報道

ベトナムホウドウ

講談社文芸文庫

ベトナム戦争の見えない真実

一人の特派員 日野啓三は戦地で“何”を見たのか
初文庫化

のちの芥川賞作家・日野啓三がベトナム戦争の特派員時代を書いた戦争報道の日常。米国の通信社へ反発し独自の記事を送っていた裏でどのようなことが起こり、どう感じていたのか――筆者の戦争を見つめる鋭い眼差しと人間関係が精緻な文章から浮かび上がってくる。その後の作家人生に大きな影響を与えた作品。

日野啓三
時間とは過去から未来へと一方的に流れてゆくものではないのだ。――(略)――「何だろう。いやなことにならないといいがな」空港ターミナルに降りると、改札口はしまっている。事情があって出発を三十分延期しますと係員がいった。「おかしいぜ」私たちは空港の建物の二階にのぼって、空港とそれに隣り合う空軍基地の方をみた。乾ききった地面には陽炎が燃え、その中を先程の戦車が全速力で走りすぎてゆく。――<「本文」より>

※本書は、現代ジャーナリズム出版会『ベトナム報道 特派員の証言』(昭和41年11月刊)を底本としました。


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書誌情報

紙版

発売日

2012年01月11日

ISBN

9784062901451

判型

A6

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

320ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

現代ジャーナリズム出版会「ベトナム報道 特派員の証言」(1966年11月刊)を底本とし、ふりがなを調整した。本文中明らかな誤記、誤植と思われる箇所は正したが、原則として底本に従った。

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