凡庸な芸術家の肖像 上 マクシム・デュ・カン論

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凡庸な芸術家の肖像 上 マクシム・デュ・カン論

ボンヨウナゲイジュツカノショウゾウジョウマクシムデュカンロン

講談社文芸文庫

「凡庸」とは「すぐれたところのないこと」などといった相対的、あるいは普遍的な概念ではない。ルイ・ナポレオンのフランス第二帝政期に誕生した、極めて歴史的な現実であり、その歴史性は今なおわれわれにとって同時代のものなのだ――大作『「ボヴァリー夫人」論』(2014年)の執筆がすでに開始されていた1970年代、『「ボヴァリー夫人」論』を中断してまで著者を執筆に駆り立てた、現代批評の頂点。


目次

講談社文芸文庫版への序文
『凡庸な芸術家の肖像』への序章
『凡庸な芸術家の肖像』第一部
I 蕩児の成熟
II 蕩児は予言する
III 特権者の代弁
IV 開かれた詩人の誠実
V 韻文の蒸気機関車
VI 凡庸さの発明
VII 旅行者の誕生
VIII 芸術家は捏造される
IX 仮装と失望
X 写真家は文芸雑誌を刊行する
XI 編集者は姦通する
XII 友情の物語=物語の友情
XIII 『遺著』という名の著作
XIX 自殺者の挑発
XV 教室と呼ばれる儀式空間
XVI 説話論的な少数者に何が可能か
XVII イデオロギーとしての倦怠
XVIII 新帰朝者の自己同一性
XIX 日本人の模倣癖と残忍さについて
XX 才能の時代から努力の時代へ
『凡庸な芸術家の肖像』第二部
I 崩壊・転向・真実
II 夢幻劇の桟敷で
III 外面の痛み=内面の痛み
IV シチリア島の従軍記者
V ふたたび成熟について
VI バヴァリアの保養地にて
VII 徒労、または旅人は疲れている
VIII 文学と大衆新聞
IX 変容するパリの風景
X 物語的配慮とその許容度
XI 黒い小部屋の秘密
XII パリ、または数字の都市
XIII 排除さるべき落伍者たち
上巻への註

書誌情報

紙版

発売日

2015年05月09日

ISBN

9784062902717

判型

A6

価格

定価:2,750円(本体2,500円)

ページ数

544ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2015年08月14日

JDCN

0629027100100011000S

初出

本書は、1995年6月刊『凡庸な芸術家の肖像 上』(ちくま学芸文庫)を底本とし、適宜『凡庸な芸術家の肖像』(1988年11月、青土社刊)を参照しました。

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