日本美術全史 世界から見た名作の系譜

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日本美術全史 世界から見た名作の系譜

ニホンビジュツゼンシセカイカラミタメイサクノケイフ

講談社学術文庫

20世紀後半以降、日本の美術作品が海外でも紹介されるようになりましたが、その興味はあいかわらず異国趣味によるものであり、特殊なものとして扱われる傾向があります。一般人でも理解できるような「芸術作品」として「普遍的」な価値観をきちんと提出できるならば、批評の対象としての「日本美術」が「世界美術史」の中で正当な位置を占めることができるはずと筆者は考え、あらためて日本美術史を編み直すことに挑戦します。
普遍的な価値とはなんでしょうか? 理想主義、人間主義、そして「気韻生動」(「リズミックな生動感または生動の中のリズム」ローレンス・ピンヨン『極東の絵画』)が、普遍性につながる特徴といえると考えます。また、写実性や真実性もその特徴になりうるでしょう。
上記のような普遍的な価値をもとに、縄文から現代にいたる日本美術の作品を縦横に論じ、新たに編み直していきます。取り上げられた作品数も500点以上。もうひとつの日本美術史がここにあります。


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目次

はじめに 世界の中の日本美術
序章 日本美術史における「様式」展開
第一章 原始美術--縄文時代と弥生時代
第二章 「アルカイスム」の時代--飛鳥時代の美術
第三章 「クラシシスム」美術--白鳳時代の彫刻・      絵画
第四章 「クラシシスム」中期の美術--天平時代      の彫刻
     1 天平彫刻1
     2 天平彫刻2
     3 天平彫刻3
第五章  「マニエリスム」美術--平安時代の美術
     1 平安初期の美術
     2 平安時代後期の絵画・彫刻
第六章 「バロック」美術--鎌倉時代の名作群
     1 十二世紀の絵画
     2 康慶・運慶・快慶の彫刻
     3 定慶と湛慶の彫刻
     4 肖像彫刻と肖像画
     5 十三、四世紀の絵巻物
     6 十三、四世紀の仏教絵画
第七章 「ロマンチシズム」の美術--室町・桃山の     美術
     1 室町時代の山水画
     2 室町・桃山時代の障屏画
第八章 「ジャポニスム」の美術--江戸時代の絵画
     1 宗達・光琳派
     2 文人画--大雅と蕪村
     3 浦上玉堂・青木木米・田能村竹田
     4 第二の文人派と洋画派
     5 浮世絵の世界1
     6 浮世絵の世界2
第九章 日本近・現代の美術
日本美術史における「様式」の変遷
あとがき
索引

書誌情報

紙版

発売日

2012年04月11日

ISBN

9784062921077

判型

A6

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

通巻番号

2107

ページ数

600ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

原本は、1995年に小社より刊行されたもの。

著者紹介

著: 田中 英道(タナカ ヒデミチ)

(たなか・ひでみち) 1942年生まれ。東京大学文学部卒業。ストラスブール大学で博士号取得。現在、東北大学名誉教授。2006年酒田市より阿部次郎文化賞を受賞。 主著に、『ラ・トゥール 夜の画家の作品世界』『イタリア美術史 東洋から見た西洋美術の中心』 『ミケランジェロの世界像 システィナ礼拝堂天井画の研究』『日本美術傑作の見方・感じ方』『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界像』『「やまとごころ」とは何か 日本文化の深層』などがある。

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